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GWの谷間、いかがお過ごしでしょうか?まみあなです。



今日ご紹介するドラマは「今夜、宇宙の片隅で」。



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覚えていらっしゃる方はかなり少ないんじゃないでしょうか。普通にドラマを観ている方の中でこれを覚えていらっしゃる方は、かなりのドラマニアだと思います。



と、言うのも先日フジテレビ開局50年を記念した「わが家の歴史」というドラマが3夜連続で放送されていましたが、脚本は三谷幸喜。映画と見紛うほどの豪華キャストで、視聴率もかなり良かったとのこと。
いまや日本を代表する脚本家となった三谷幸喜、不遇の作品こそがこの「今夜、宇宙の片隅で」だからです。



このドラマはかなり異色でした。
主演は3人。石橋貴明、飯島直子、西村雅彦、あと出てくるのは日本食材の店「楠」の店長だけ。
典型的なシチュエーションコメディですが、こうした作品は日本には文化として根付いておらず、本場はアメリカ。日本におけるシットコムの歴史はほとんど彼が作ってきたものだと言っても良いくらいでしょう。しかし、この作品をそうした語られぬ歴史の中に埋没させて良いものではないぐらい、良質なドラマです。



敬愛するビリー・ワイルダーの「アパートの鍵貸します」などをオマージュにした作品は、アパートの中だけで話が展開して行きます(シットコムだから当たり前ですが)。
冴えない男と、2枚目の男が、1人の女を取り合う。ただ、それだけですが、この設定と空間の中でこれほどまでに展開できることがあるのかという程、面白い。
石橋貴明はジャック・レモンを、飯島直子はシャーリー・マクレーンとマリリン・モンローを意識しているのでしょう。恐らく裏テーマはビリー・ワイルダーを西村雅彦が料理したら、だったのではないでしょうか。彼にピッタリの役柄、シチュエーション。ダメさ加減極まると言う、だらしなく、良いところがない、けれど憎めない、三谷幸喜お得意の描写が素晴らしい。



ドラマに詳しい方ならわかるかもしれませんが、発送は間違いなく「やっぱり猫が好き」であり、「子供ほしいね」なのでしょう。2本とも三谷幸喜の脚本ですが、前者は彼の出世作で、ドラマの脚本を描く楽しさやコツを掴んだターニングポイントの作品です。
これをプライムタイムでやってしまうこと自体が冒険だったと思います。まだまだ三谷幸喜という名前だけで数字を取れるわけでも、注目されるわけでもなかった時代、渾身の作品として本作を世に送り出したのでしょうが、結果的には「テレビ界に見切りをつけた」と思ってしまうぐらい、低調だったわけです。
個人的に同じ程度の視聴率だった「総理と呼ばないで」や「合言葉は勇気」などとは比べ物にならないぐらいホンが練られていたので、当時は注目度の低さに首を傾げていました。



三谷幸喜フリークとして、彼のテレビドラマでの最高傑作は「警部補 古畑任三郎」でも、「王様のレストラン」でもなく、本作だと思います。それぞれをまた取り上げるかもしれませんが。
VHSのみの発売で、現在手に入れるとしたら中古か、レンタルですが都内でも在庫があるTSUTAYAは渋谷ぐらいしかないでしょう。もしくはスカパーで再放送されるのを辛抱強く待つしかないでしょう。GW、頑張って手に入れて、ご覧になるのも悪くないかもしれません。



三谷幸喜がシットコムでリベンジを果たした「HR」については、また別の話。
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2010.04.30 Fri l ドラマ l コメント (1) トラックバック (0) l top
桜の花は散ったのに、変な天気に辟易しています。
皆様おひさしぶりです、まみあなです。



今回は、(勝手に)新連載を開始したいと思い、畏まった挨拶をさせて頂きました。
映画などについては元編集委員N先生のエントリがございますので、自分はドラマについて語ってみたいと思い、こうして筆を執ることと致しました。
というのも、映画よりも早くからドラマにハマっていて、基本的な演技や脚本の機微は日本のドラマを主にして感じてきたからに他なりません。まぁ、堅苦しい挨拶はこの辺りに留め、基本的には毎週エントリを挙げて行ければと思っています。



記念すべき1作品目は「ロングバケーション」。



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何だかドラマを語ると堅い響きで言っておきながら、この作品かと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、この作品が自分にとって「ドラマって面白い」と思い、放映中に留まらず過去のものまで見始めたターニングポイント的な作品なのです。



主演は木村拓哉、山口智子、脇を固めるのが稲森いずみ、松たか子、竹之内豊、りょう、と現在では考えられない豪華キャストですが、彼らがまだまだ現在の地位やキャラクターを確立していなかったから出来た布陣でしょう。当時は、月曜の夜にはOLが消えると言われた程に人気があり、キムタクの確固たる人気、「月9」という枠のイメージはこのドラマを起点にして生まれたといっても過言ではありません。
この作品は脚本を担当していた北川悦吏子は「なんでこんなに視聴率を獲れたのかわからない」と言っていましたが、脚本にあるキャラクターを補って余りある魅力をそれぞれの役者が発揮し、物語の奥にある登場人物の感情を表現していたからだと思います。
 主役は悩めるピアニストの瀬名秀俊。物語は結婚式に花婿に逃げられた葉山南が、白無垢姿で、瀬名の同居人であった結婚相手を探しに来るシーンから始まります。押しかけるように南が同居を始め、お互いの生きる上での悩み、恋愛の悩みを共有しながら、距離を少しずつ縮めていく、そんな物語です。



90年代にありがちだった友情物でも、都会的な生活のスタイリッシュさを描いたわけでも、恋愛に終始するだけのドラマでもなく、群像劇としても成り立っているドラマだからこそ、現在でも色褪せずに観ることができるのだと思います。
放映開始は4月からで、夜風が優しく、ほのかに暖かみを帯びてくると、このドラマを観たくなります。隅田川沿いにあった、ロケ地であるマンションはロケ終了後に取り壊されてしまいましたが、夜の川沿いを歩いていると、瀬名と南が二人で座っていたシーンを思い出し、ちょっとばかり懐かしくなることもあります。



挿入歌も好きで、実はサウンドトラックも持っているぐらいです。
夏前になると、再放送枠で観られる「ロンバケ」はDVDも出ていますので、夏になる少し前の夜に時間のある方は、是非観て頂きたい作品です。
2010.04.23 Fri l ドラマ l コメント (0) トラックバック (1) l top
元編集委員Nです。私は「障害者もの」が好きではありません。辛くて見ていられないこともあるし、美化されすぎていることもあるからです。また「元ワルの出世物語」は嫌いです。小さい頃からずっと真面目に勉強してきたおかげで今の自分があると思っているので、昔のワルぶりを自慢げに話す芸能人は好きになれません。学園暴力礼賛映画は、いくら小栗旬でも犯罪的だと思っています。さらに私は、「銀座のクラブ」とかが大嫌いです。綺麗なオネエチャンに話し相手になってもらうためにお金を払う神経が全く理解できないのです。過去に仕方なく何度か行ったことがありますが、ずっと「早く帰りたい」と思っていました。



という訳で、本来なら「筆談ホステス」を見る可能性など皆無でした。ところが先週末、出先で新型インフルエンザにやられてしまったのです。独りぼっちでチャンネルをガチャガチャやっていたら、この番組の宣伝を見て興味を持ちました。まあ北川景子さんが好き、というのが一番ですけど (^_^;)



良い意味で予想を裏切られました。感動しました。ワルだった時代のことにはほとんど触れていません。また障害に苦しむところも大幅に割愛されています。それらが良かったのだと思います。私は「銀座のクラブ」が嫌いですが、そういう仕事に誇りを持って働く人を決して軽蔑していません。むしろ尊敬しているくらいです。真面目に一生懸命働くのであれば、「職業に貴賤無し」です。もっとも女の子の「なりたい職業」ランキングにキャバクラ嬢が入るのはいかがなものかと思いますが。



北川景子さんは、完璧に近いできでした。女子高生姿はちょっときつかったし、和服が似合っていない(着こなしが変?)とは思いましたが、それは仕方ないでしょう。最近5年くらいの間に、演技のできる綺麗な若手女優さんたちがこれほど次々と現れてきたのは、嬉しい驚きです。「ホステス」に限らず、「他人に喜んでもらえる職業」をしたい、という気持ちがとてもよく表現されていました。「自分が社会で役に立っている」実感をえたいのだというのがよくわかります。それこそ正しい生き方なのでしょう。他人を働かせてピンハネ・中抜きしている連中はクズです。ましてそれを詐欺的にやってるヤツラは最低です。そんなことでお金を儲けて、豪華な食事をしたり高級ホテルに泊まったりして何が楽しいのかと思います。心は決して裕にならないでしょう。



兄役の福士誠治さんも素敵でした。宮崎あおいさんの相手役だった「純情きらり」から急成長されています。さらには青森のママ役の手塚理美さんが素晴らしい控えめな暖かさでした。「ハイカラさん」「ふぞろいの林檎たち」は全部見ましたし、写真集も持っています。素敵に年を重ねられたと思います。



その数日後に見た「Wの悲劇」は最低でした。論評する気にもならない劣悪な悪ふざけです。武田鉄矢が話し始めたとたんにイヤになりました。超豪華キャストは、お金の浪費です。薬師丸ひろ子・高木美保の「Wの悲劇」とは、比べるのも愚かです。以前に書いた同じTBSの「中央流砂」「火と汐」が酷かったのに似た種類の酷さです。同じチャンネルなのに何故?と思ったら、「筆談ホステス」はMBS、すなわち毎日放送の製作でした。それがキーポイントなのだと思います。少ない予算で、短い時間で、遙かにレベルの高い作品を作っていたのです。やっぱり使うべきは「お金より頭」だとあらためて思いました。
2010.01.19 Tue l ドラマ l コメント (0) トラックバック (1) l top
元編集委員Nです。
年末年始は、テレビドラマもたくさん見ました。ダントツで酷かったのは「救命病棟24時」でした。新聞などの予告では新作のように宣伝していましたが、実際には大半が前回シリーズの再放送でした。露骨な詐欺行為です(ガリレオも似たようなことをしましたが、こちらはちゃんと、過去のもの主体であることを正直に書いていました)。過去VTR分を見て、あらためてこのドラマの問題点を痛感しましたが、最後にちょこっと「新しく」製作された部分は過去を更に上回る酷さでした。内科の入院患者がショックになって、主治医は何も診断できない・処置できない。緊急で呼ばれた松嶋菜々子が何と、病院が停電中なのに病室で開腹して大動脈にクランプをかけます。吸引装置も使えないのに何故か血は流れていません(肝細胞癌の破裂らしい)。大学病院の医局長が予算案を提出するという細かな非常識は「無知だから」ですみますけど、このような異常な処置は傷害罪です。あのような不適切な医療が英雄的行為のように描かれてはたまりません。

以前にも触れましたが、今年は生誕100年を記念した松本清張作品が多く放映されました。低レベルだったのはTBSです。「中央流砂」は船越英一郎や片平なぎさの2時間ドラマのレベルでした。「火と汐」は、これに比べると少しはましでしたが、あれほど下手くそな演技をする寺尾聰さんは初めて見た気がします。脚本や演出が酷いと役者まで堕ちてしまうのでしょうか?テレビ朝日「点と線」での、決して演技が上手い訳ではないビートたけしの方が、ずっと好演でした。

私が観た中で一番良かったのは、NHKの「顔」でした。75分と一番短かったのに、秀逸な出来上がりでした。このあたりがNHKの底力でしょうか?広告収入に左右されない強みかもしれません。主演の谷原章介はとても良かったです。ひとつ間違えばずっと昼メロ俳優で終わっていたような容姿・声ですが、彼が「王様のブランチ」をはじめテレビで大活躍しているのを当然のように感じました。相手役の原田夏希がまた良かったです。彼女はNHKの朝ドラ「わかば」がデビューだったと思いますが、あれは超駄作でした。当然のことでしょうが、当時と比べて格段に成長されているのを嬉しく思いながら見ていました。そして刑事役の大地康雄がワキでしっかりとドラマを引き締めていました。高橋和也も良かったです。彼の場合は早くからジャニーズ事務所を解雇されたのが良かったのかもしれません。美保じゅんさんも久しぶりに見ました。ちょっと太ってしまったのが残念です。日活ロマンポルノ出演者で女優として活躍されている方は、他にも東てる美さんとか岡本麗さんとか大勢おられます。アイドルや一般の女優から日活ロマンポルノに出演した人には消えていった人が多いように思いますが、逆のコースで成功した人には貴重な人材がいっぱいです。そして日活ロマンポルノの最大の功績は、多くの優秀な監督に映画を撮る機会を与え続けたことでしょう。藤田敏八をはじめとして、滝田洋二郎や根岸吉太郎などそうそうたるメンバーが並んでいます。一度検索されると驚かれることでしょう。ついでですが、風間杜夫の本格デビュー作も日活ロマンポルノだと思います。学生時代に京一会館で6本立てとかを見た時代が懐かしいです。
2010.01.12 Tue l ドラマ l コメント (0) トラックバック (0) l top
元編集委員Nです。

テレビドラマが不調の今、医療ドラマは比較的安定して視聴率を稼げるそうである。しかし私たち医師のほとんどは、医療ドラマが好きでない(と思う)。あまりにも現実離れしていて、メチャクチャな内容のものがほとんどだからである。毎回のように、監修したヤツを「しめたろか」と思う。日本に比べると海外医療ドラマはずっと質が高く、ERは全て見た。私が見た日本の医療ドラマの中で「許せる」と感じたのは、「ブラックジャックによろしく」と「小児救命」くらいである。どちらも問題がないわけではないが、前者は大切な問題もきちんと真正面に捉えていたし、後者は小西真奈美が大好きだからである。なお、いわゆる「神の手」特番は大嫌いである。医療は、「多くの医師が施行できるように、きちんとした教育・伝承がなされてナンボ」と信じるからである。

そんな私がたまたま、「救命病棟24時」を不用意に見てしまった。今までのシリーズは、新聞であらすじを読んだだけでむかついて見なかったのだが、今シリーズはナース役で北乃きいが出ているので、その成長ぶりを確認したかったのである。残念ながら恐れていた通り、見ている間ずっと怒りにうちふるえていた。CPAで運び込まれた臨月の妊婦に救急室で帝王切開と開胸肺動脈切開術を施したり、24時間寝る間もなく働いているはずなのに何故か暇そうに松嶋菜々子を説得に行ったりと、予想通りのメチャクチャさである。そもそも私は江口洋介を上手だと感じたことが一度もない。「東京ラブストーリー」くらいでやめといて欲しかった。「ひとつ屋根の下」は単なるコメディーだし、「白い巨塔」にいたっては最低だと思っている。まして森高千里と結婚するなどもってのほかである。

ユースケサンタマリアもまた、私が好きでない役者の筆頭である。「踊る大捜査線」シリーズをはじめとする多くのテレビドラマに彼が使われる理由がわからない。平成教育委員会も彼が司会と知って見るのを断念した。「キサラギ」は唯一悪くなかったと思うし、「少年メリケンサック」でも成長したかと勘違いした。しかし今回の彼の「凄腕外科医」ぶりは、今までの中でもダントツの酷さである。救急室で「心筋梗塞による心破裂」の開胸修復術を行うという無茶ぶりは彼のせいではないが、その中でのすべてのセリフが、まったくさまになっていない。この酷いドラマの中でも最低レベルだと思う。

最低ばかりのこのドラマだが、何よりも許し難かったのは、松嶋菜々子の言動である(このブログではいつもそうですが、こういう場合、役者本人ではなくその配役です)。「転倒による頭部外傷」ということで多くの病院から受け入れを断られた小児を無理して受け入れのだが、患児は「くも膜下出血が原因で転倒し、それで意識を失っていた」。脳外科は手術中で受け入れ不能な状態だった。患児は亡くなり、両親が「脳外科が対応できないのに、受け入れたのが死亡の原因」として裁判に訴えたという設定である。素人でも、その酷さはわかるだろう。それなのに、あろうことか松嶋菜々子は、「私の判断ミスです。あの子が亡くなった責任は自分にあります」と言うのである。おそらく日本中の医者がテレビに向かって「バカヤロー」と叫んでいたのではないだろうか?これが彼女の責任なら、救急はおろかあらゆる医療は成り立たない。この番組は、「神の手を持つ救急医を礼賛するだけでなく、日本の救急医療の問題点も取り上げる」とうそぶいていたそうだが、これでは逆に息の根が止められてしまう。視聴率は20%を超えたそうである。監修した医師は恥を知るべきではなかろうか?
2009.08.17 Mon l ドラマ l コメント (0) トラックバック (1) l top
こんにちは、バッカスです。

最近暇をみつけては、友人から長らく借りっぱなしの「探偵物語」のDVDを観ています。

松田優作が素晴らしくかっこいいのは説明するまでもありませんね。
演技自体がそれほど上手なのかは分かりませんが、独特の雰囲気を持った方ですね。
そして手脚が長いので、細身のスーツ姿がとても様になります。
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テレビ放映されていたのは1979~1980年。
全27回のうち、毎回変わるゲスト俳優もバラエティ豊かです。

第1回は妖艶な緑魔子、後に松田優作の奥さんとなる熊谷美由紀、佐藤蛾次郎など。
その他、水谷豊、岩城滉一、柄本明、石橋蓮司、風間杜夫など、現在のベテラン俳優らの若かりし頃が観られて新鮮です。
準レギュラー的に出演している倍賞美津子さんも若い!

一番気になるのは成田三樹夫さんです。
探偵・工藤に目を付けている刑事役で、「工藤ちゃ~ん」のセリフが有名になっているんですね。

1990年に55歳で亡くなっているそうですがとても素敵な俳優さんなので、成田さんの他の出演作もぜひ観てみたいと思っています。

「探偵物語」、オープニングとエンディングも好きです。
時代を感じます。
2009.07.31 Fri l ドラマ l コメント (0) トラックバック (0) l top