社内で評判の格闘セレブ、まみあなです。
そろそろ迫ってきた大晦日。
くどいようですが、大晦日は
Dynamite!です。
今年の格闘技ベストバウトを発表しましたが、本日はDynamiteの見どころなどを余す所なく解説したいと思います。
見どころは色々あると思うんですが、まず、一番押したいのは対抗戦が開かれるというところです。
DREAMとSRC(旧・戦極)が対抗戦を行います。これは複雑な経緯があるのですが、ざっと説明するとお互いにPRIDEの意志を継ぐ団体なわけです。
PRIDEはUFCというアメリカの金網を舞台にしたMMA団体に買収され、目立った活動もなく、その名前と共に現在は封印されています。そして、そのPRIDEで活躍していた選手たちが、日本で戦う場所を失い、2007年12月31日に「やれんのか!」というイベントを開き、そこからDREAMと戦極という団体に袂を分かちました。DREAMは桜庭和志、青木真也などを中心に、戦極は吉田秀彦、五味隆典を中心に旗揚げされました。互いに2008年はライト級、ミドル級GPを開催、2009年はフェザー級GPを開きましたが、目立った交流はなく、現在に至ります。
そして、色々な事情があったにせよ、「どっちが強いのか」をハッキリするために、戦いの火蓋が落とされることになったわけです。
▼フェザー級対抗戦
山本“KID”徳郁 VS 金原正徳
高谷裕之 VS 小見川道大
所英男 VS マルロン・サンドロ
神の子の異名を取るKIDは、戦極のフェザー級王者・金原と対戦。KIDにしてみれば、チャンピオンとの試合が出来るからラッキー、との思いもあるでしょうが、TV的なことを考えると、知名度の低い日本人に負けてしまうという恐怖があるわけです。それはもちろんDREAMの選手全員に言えることですが。KIDは適性階級になってから、膝の怪我も手伝って思うような活躍が出来ていません。これまでは体重が上の選手との試合ばかりで、スピードでかき回すことができたわけですが、相手も同じスピードを持っているわけですから、その戦法は中々通用しません。金原はグラウンドが主体の選手ですから、スタンドで戦えば有利なはずですし、レスリング技術でも負けていません。この試合はKIDの優勢だとは思いますが、下からセットをいかにしのいで、自分の距離で戦えるか、がキーになります。
喧嘩番長・高谷は“くそったれ柔道王”小見川との対戦。どちらも前へ出て殴り合うのが信条の二人ですから、激しい試合になるのは目に見えています。ただ、どちらに分があるかと言えば小見川でしょう。まがりなりにもサンドロ、日沖に勝利しているわけですし、ピーカブースタイルから、低い重心で潜り込んで来るのを止めるのは容易ではありません。高谷はストレート系の打撃に比較的脆く、テイクダウン耐性はあるのですが、小見川には競り負けるかなぁ、と。個人的には、ロープ際、コーナ際での戦い方が命運を分けるような気がします。
そして、逆境ファイター・所英男は、キング・オブ・パンクラスであるサンドロと対戦。いや、これ誰が得するんだ?というカードです。だって、サンドロは地味で、強いし、知名度も低い。所にとっては正念場というよりも、もうやるしかない、という状況でしょうね。これはペケーニョとやった時以来の、奇跡の一発を期待するしかないと思ってます。グラウンド、レスリング、打撃、総合的に考えても所が競り勝ってるポイントって・・・スタミナぐらいのものでしょうか。。。
▼ウェルター級対抗戦
桜井“マッハ”速人 VS 郷野明寛
これは日本人ウェルター級最後の大物対決と言って良いかもしれません。野生のカリスマと、難攻不落のビッグマウス・DJ GOZMAとの試合。PRIDE時代はライトとミドルという2階級離れた体重でしたが、郷野はUFCにウェルター級で参戦。修斗で凌ぎを削った二人が、いよいよ対決するという。入場から目が離せない部分はありますねぇ。
ただ試合は至極退屈なものになってしまう可能性も秘めているわけで。マッハは右のローからのコンビネーションで前に出てくるでしょうが、郷野はアウトボクシングに徹すると思いますし、マッハがテイクダウンしても、郷野がパスを許さないでしょう。マッハが何処まで郷野を削るか、郷野は射程外からどの程度ダメージを与えて、どのタイミングで攻め入るか、が勝負のポイントでしょう。
▼無差別級対抗戦
泉浩 VS 柴田勝頼
対抗戦ともお祭りとも取れるこの試合。互いの性格とファイトスタイルを考えれば殴り合いは避けられません。大晦日にド派手な花火を打ち上げて欲しいものです。天性の打撃センスで、柴田に軍配が上がると予想させていただきます。
▼ヘビー級対抗戦
アリスター・オーフレイム VS 藤田和之
今年のK-1を席巻したハイパー・ダッチサイクロンの本業はコチラ、MMAに他なりません。相手は全盛期を過ぎたとはいえ、現在も日本人ヘビー級最強の呼び声も高い野獣・藤田和之。これはもう、見てくださいとしか言い様がないでしょう。とてつもなくデカイ男たちが本気でぶつかりあったらどうなるか。想像するだけでワクワクしてきます。
▼ライト級対抗戦
青木真也 VS 廣田瑞人
川尻達也 VS 横田一則
DREAMが誇る黄金のライト級はUFCにも引けを取らないクオリティと、個性豊かな選手達がひしめいています。そこに割って入るは戦極のライト級王者に、GRABAKAのビッグマウス。正直言って、顔じゃない、と個人的には思ってしまいます。
廣田は距離を詰めるのが抜群に上手いですし、一撃で倒す破壊力のある拳も持っていますが、青木は空間を操る達人。下からでも上からでも組み付いたら離しません。アルバレスに何もさせず、ハンセンをタイトルマッチで完封。廣田が勝つためには凌ぎきるか、一発当てるか。日本人で、その2つの作戦を実行する相手として最も難しい男が青木真也といえますから、勝つのは至難の業でしょう。
クラッシャー・川尻達也が対するのは横田一則。一ファンと言う立場を取らせてもらえるならば、迅速に、そして大胆に、跡形もなくなるぐらいに横田を叩きのめして欲しいと思っています。
▼SRC提供スペシャルマッチ
吉田秀彦 VS 石井慧
▼反逆のカリスマ・引退試合
魔裟斗 VS アンディ・サワー
この2つがメインというのも、なんだかDynamiteらしいといえばらしいですね。
吉田は元々、デビューが初めて開催されたDynamiteでしたから奇妙な因縁を感じずにはいられません。石井がそこでデビューするという感慨も一入。正直って、吉田は立っても寝ても分が悪いでしょう。ただ、際を制することが出来れば、デビュー戦の石井に勝つことも不可能ではないはず。石井はデビュー戦ながら、世界の名だたるMMAジムで修行を積んでいますから、イロモノとは当然違います。
そして、なにより魔裟斗。彼なくしてMAXという舞台はなかったでしょうし、これからMAXがどうなってしまうのかも不安視されています。カリスマの最後はカリスマらしく、綺麗に、派手に、なによりもカッコ良く。
ああ、もう来週だなんて。
まちきれません。
「格闘技史上最大の祭典
FieLDS Dynamite!! 勇気のチカラ2009」開催場所:さいたまスーパーアリーナ
放送日時:2009年12月31日(木) 大晦日 夜6:00~11:39