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年の瀬をいかがお過ごしでしょうか、ひよこ豆です。
12月28日にはRadFan1月号が無事刊行し、
鬼の年末進行もようやく終わり、ほっとしております。
(さりげなく?宣伝→1月号は全国の大型書店で発売中です!詳細はコチラ


さて、編集部内で話題になっていた『小さな命が呼ぶとき』を見ましたので
ちょっと感想など…
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この映画はポンぺ病(糖原病2型)という、
4万人に1人発症するといわれる先天代謝異常症の難病を患うわが子を救う為に
奮闘する父親と、新薬開発に協力する博士の、実話に基づくストーリー。

ポンぺ病を患う二人の子供の父親ジョン(ブレンダン・フレイザー)は
製薬企業に勤める傍ら、治療方法がないとされるポンぺ病についての論文を読み漁り、
そのとき治療薬開発への可能性を持つ最先端の研究を行っていた
ストーンヒル博士(ハリソン・フォード)に直接会いに行きます。
そこで「新薬を作れないか」とアプローチするのですが、
実験に掛る費用が最低でも50万ドル必要と言われ、
ジョンはストーンヒル博士のために、会社を辞め、創薬ベンチャー企業を立ち上げてしまいます。

ポンぺ病の子供は、長くても9年しか生きられないと言われており、
「子供のためにわずかな時間を一緒に過ごさないで良いのか」という
父親の大きな葛藤が伝わってきますが、
それでも、運命に抗って、治療薬を開発し、わが子のために使ってみせると奮闘するのは、
娘メーガンが強く訴える「生きたい」という気持ちがあってこそなのだな、と思いました。
(この娘が、口達者で負けん気の強い性格で、
可愛げがないところが愛らしい、いいキャラなのです)

頑固な研究者ストーンヒル博士との意見の衝突、
資金不足のため、大手製薬企業に自社を買収させるまでのかけひき、など
新薬開発のプロセスをビジネス面からも描いており、ある意味勉強になります。

ここはちょっとネタばれなのですが・・・
いよいよ試薬ができ、臨床試験となる段階で、
ジョンは、ストーンヒル博士の協力のもと
臨床試験に自分の子供たちを参加させたのですが
本来、製薬企業では公平性のために自社社員の家族は対象外とする規制があったため、
会社を解雇→臨床試験OKという展開があり、これが結構アツい展開です。
解雇を通達した上司とジョンが
「今までどうも君のことが好きになれなかった」「私もです」
と言いながら固い握手を交わすシーンは、アメリカ映画らしくてカッコ良かったです。
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2010.12.29 Wed l 映画 l コメント (0) トラックバック (0) l top
パナ吉です。

先日、会社のiPadを密かに持ち出して、
話題?の映画を見てみました。

いやなかなか便利でした。
低解像度のレンタルをしました、、確か400円でしたが。

結構きれいなものですね、、
確かにiPadはこういう使い方に適しているな、と再確認しました。

なおダウンロードの時間は約30分ぐらい、と結構かかります。
でもこの寒空、借りにいく手間と返す手間を考えれば、
いいと思います!

ちなみに見た映画はなぜか下記。

第9地区


エビがいっぱい出てきまして、気持ち悪かったです。
コンビニでセルビデオが売っていて、確か1900円ぐらいでした、
それで気になり、、

インセプションみておけばよかった!
2010.12.21 Tue l 映画 l コメント (0) トラックバック (0) l top
元編集委員Nです。とんでもなく遅くなってしまいましたが、ようやく「悪人」を観ることができました。暗い映画と言うことで妻が最初は難色を示していたことや、臨時の仕事・出張でバタバタしていたのが遅くなった原因です。でも長期に上映されていて本当に助かりました。やっぱり映画は映画館で観るのが一番です。今年観た中で最高の作品でした。先日、欧州へ往復した際に観た5本の映画がいずれも駄作だっただけに、久しぶりに良いものが観られました。

作品そのものについては、すでにいっぱい色々なところで書かれています。朝日新聞で連載を読まれていた方もおられるかもしれません。誰が本当の悪人で誰が善人なのか、社会について男女について親子について、深く考えさせる話です。多くの不幸や不運があったにせよ、人を殺した主人公やその逃避行を伴にした女に罪があるのは確かです。しかしそれでも、終始一貫して暗いストーリーの中で、たとえ短い間でも幸せを感じさせたのは、その2人でした。ラストシーンはそれを再確認させてくれました。最後に画面いっぱいに映し出された2人の顔は、朝日に照らされて実に美しく輝いていました。ここだけは、絶対に映画館で観るべきシーンです。

皆さんご存じのように、深津絵里さんはこの映画でモントリオール世界映画祭の最優秀女優賞を獲得されました。映画を観られれば、「本当?」と少し思います。それは彼女がさほど素晴らしくないという意味ではありません。もちろん彼女の演技は最高級でした。ただ他のほぼ全ての出演者もまた上手だったために、あまり目立たなかったのです。妻夫木君は、「涙そうそう」の薄っぺらい演技と比べるとまさに別人でした。満島ひかりさんは、どんな特殊なキャラも上手に演じられるのですね。その才能に脱帽です。彼女を初めて見たのはNHKの朝ドラでしたが、こんなに素晴らしい女優さんだと気づかずに恥ずかしいほどです。娘を思う柄本明さんは期待通りの好演でしたが、犯人の祖母役の樹木希林がさらに凄いです。もう圧巻でした。彼女を見逃すと損するような映画です。

考えてみれば、最近の映画やテレビドラマは、お笑い芸人を出し過ぎて失敗している、質を落としている、と感じます。主演であれ、脇役であれ、素人の使いすぎは良くありませんし、ぶち壊しのような配役もよくあります。鶴瓶がいくら上手だと言っても、あくまでも「本職でないにしては」というレベルです。それを関係者は、本作品のような映画で思い知るべきでしょう。北野武監督作品は暴力が嫌いで少ししか観ていませんが、私が一番好きなのは彼自身が主演していない「DOLLS」です。

この映画は本当に高品質だと思います。李監督は私の大好きな「フラガール」も監督された方です。なおモントリオール世界映画祭の最優秀女優賞を前回日本人で受賞したのは「天城越え」の田中裕子さんです。彼女が一番美しかった頃ですね。またベルリン国際映画祭で寺島しのぶさんの前に最優秀女優賞を日本人で受賞したのは「サンダカン八番娼館」の田中絹代さんです。その「サンダカン八番娼館」は、私が学生時代に観た映画のベストワンです。畳の上でとび跳ねる田中さんの演技が今でも脳裏に焼きついています。
2010.10.18 Mon l 映画 l コメント (0) トラックバック (0) l top
ここのところ暖かくて嬉しい、まみあなです。



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話題のアバターではなく、こんな映画を見てきました。
マイケル・ムーアの「キャピタリズム」です。
町山智洋氏の著書などを読んでいたこともあり、ムーアの面白さと切っ先の鋭さは早くから注目していました。
ニューヨークに住んでいる友人からよく聞くのは、アメリカという国は日本人が思っているよりも発展している国ではなく、むしろ途上国と言っても良い、ということ。
この映画を観ながら、その言葉を強く噛みしめていました。



ムーアはアメリカの歪な格差社会に向かって、こう叫びます。
「この国は一部の裕福な人間を、大多数の貧民層が支えている。だから、奴らに金を返してもらうんだ!」
アポ無しで証券会社や銀行の職員へ、ドル袋を持参して「金を返せ!」と殴り込みをかける。



twitter上で水道橋博士が、この映画について
「若者こそ、見るべきだ!」
とつぶやいていましたが、まさにその通りの内容です。
もちろん、内容としてはムーア節炸裂の極論が展開されていて、実情の側面を一般化しているという意見もあるかもしれません。ただ、私たちが知っているアメリカ、私たちが抱いているアメリカへのイメージ、というのも、それと同じくポジティブな側面を一般化しているだけなのではないでしょうか。
物事の真実を明らかにするためには、異なる側面をそれぞれ検証してみなければ、止揚された回答というのは出てこないものです。



何が面白いって、ムーア自体は富豪なわけです。
よく、弱者を暴く彼の論理的矛盾はそこにあると言われますが、彼は暗殺されてもおかしくないことをメディアを通じて繰り返し喧伝しているわけで、そういったムーアの心の根底にある葛藤やコンプレックスや憤怒というのを感じながら見るのも、面白いかもしれません。
2010.01.29 Fri l 映画 l コメント (2) トラックバック (0) l top
こんにちはーエリンギです。
今日も寒いですね~東京は雪かもしれないらしいですよ

さて、今日は私のマイブームについてお話しします。
ここ最近はまっているのが…

レイトン教授!!!
(公式サイトはこちら

知る人ぞ知る、NintendoDSのゲームソフトでございます。
英国紳士のレイトン教授が弟子のルーク少年と共に
多くの「謎」を解きながらストーリーを進めていくゲームなのですが、
とにかく謎が難しいんです
大人でもかなり苦戦するレベル
でも難しい謎が解けた時の快感がクセになっちゃうんですよ(笑)

2007年に第一作「レイトン教授と不思議な町」を発売して以来大ヒットとなり、
現在は四作目「レイトン教授と魔神の笛」が発売中です。
私は全部持ってます。

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世界中でシリーズ合計790万本を売り上げた「世界一売れているアドベンチャーゲーム」なのです。

そんなレイトン教授が、ついに映画化しました!!
その名も「レイトン教授と永遠の歌姫」!!
もちろん観に行って参りました

とても楽しみにしていたので、
ワクワクしながら上映開始を待っていたのですが、
座った席のすぐ前に小学校3年生くらいの男の子5人組がいて、
予告編の時からワイワイうるさくて少し困りました

子供A「何この映画つまんなそう~」
子供B「子供だましだよね(笑)」

子供が子供だましって言うなああああああ!!!

しかしそんな彼らも、ポケモンの予告が始まると同時に
静かになり、真剣に画面に見入っていました
ポケモンは子供だましじゃないのね…。

映画は、ネタばれになるといけないので詳しくは語りませんが、
映像がキレイでとっても面白かったです!!!
なによりレイトン教授がカッコいい!!!
英国紳士最高!!!

ゲームやってなくても理解できるストーリーですが、
ゲームやってた方がより楽しめると思いますので、
興味を持たれた方はぜひ挑戦してみて下さい

「レイトン教授と永遠の歌姫」公式ホームページはこちら





2010.01.12 Tue l 映画 l コメント (0) トラックバック (0) l top
甘くないオレにこだわりを感じる、まみあなです。



さて、皆さんお正月はどのようにして過ごされたでしょうか?
私は、格闘技はもちろん、初詣など、割とアクティブな正月ではありましたが年末にTSUTAYAでドラマや映画を抱え込む程に借り込んでは夜を更かしておりました。
数年前まではドラマニアだったのですが、ここ数年あまりの劣化ぶりに敬遠していた「ガリレオ」を観ていると、良い意味での驚きがありました。と、言うのもいかにも一般受けしそうなキャスティングではあるものの、そこに驕らない脚本に、妙技の冴える演出。観ていなかったことに愕然としました。



そして最後に手を伸ばしたのが「容疑者Xの献身」。地上波放送する直前に観たのですが、CMで雰囲気を細切れにされることなく観れたのが大正解でした。


容疑者Xの献身 スタンダード・エディション [DVD]容疑者Xの献身 スタンダード・エディション [DVD]
(2009/03/18)
福山雅治柴咲コウ

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ミステリーは文学性が低い、というのは勝手な持論なのですが、若干それを改めなければならないと思うほどに、原作の完成度が高く、また「ガリレオ」というドラマの枠に捉われない作り込み方。感服しました。ここ数年の邦画への、純粋な評価としては最も高い点数を付けられる作品でした。



先ずタイトルが秀逸です。響きから伝わる印象と、鑑賞しながら染み渡ってくる印象が見事に符合する時の、身震い。
何よりも、主人公である湯川と、刑事の内海が、全くと言って良いほどにストーリーに絡んできません。これは、本作の主人公が彼らではなく、あくまでも「容疑者X」であるということに他ならず、視点がブレることは無いのに、事実のみを追いかけているにも関わらず、松雪泰子演じる花岡靖子の戸惑い、驚きが嫌というほどに伝わってくるのです。
何よりも素晴らしいのは、堤真一の演技力。「やまとなでしこ」と同じ数学者を演じているのを疑うほどに、朴訥として暗く、内気であり、誰よりも頭が切れる。
ミステリーの本質は「謎を解く」ことですが、ストーリーがクライマックスに行くに従って観る者の感情を引きずり、「謎が解けないで欲しい」と思わされる。真実が明らかになった時に、全てが一つに繋がるのですが、そこに爽快感は一切ありません。



エンドロールと共に流れる映像、KOH+の「最愛」という曲が冬の侘しく、切ない雰囲気と同化して、どこにもやりきれない想いが、胸の中に転がり続けます。



未観の方は、是非。



2010.01.08 Fri l 映画 l コメント (2) トラックバック (0) l top
今年は松本清張生誕100年と言うことで、数多くの清張作品がテレビや映画で制作されたり
再放送されたりしています。
私は正直言って推理小説が苦手なので、原作はほとんど読んだ覚えがありませんが、
多くの作品をテレビや映画で観ています。
今年なら「夜光の階段」「旅路」「点と線」をテレビで観ましたし、
過去には「砂の器」や「天城越え」などを映画で観ています。
「天城越え」における田中裕子さんの美しさと思春期を迎えた少年の衝動的な行動は驚きでした。
多くの人が論評しているように、松本清張の作品は単なる推理小説ではありません。
社会問題や人間の複雑な心理を、深く鋭く描いているのが特徴です。

「ゼロの焦点」でもまた、登場人物の様々な人間模様がきめ細かく描かれています。
結婚やお見合いについての風習が現代と違いすぎますし、「パンパン」という言葉も
今の若い人たちにはほとんど通じないでしょう。
「何故、過去を消すために殺人まで犯すのか」という点で感情移入しづらいところもあります。
これは「砂の器」でもそうですし、水上勉原作・内田吐夢監督の「飢餓海峡」も同じ構図です。

今回の映画「ゼロの焦点」の見所は、何と言っても旬である3人の名女優の競演にあります。
私もそれを期待して行きましたし、中谷美紀さんはまさに期待通り、圧倒的な存在感でした。
彼女の場合は、女優でスタートしていないことが、かえって彼女の良さを引き出している気がします。
一方、木村多江さんは舞台女優出身ですが、今や主演としても助演としても、
「暗い不幸な女」を演じたらダントツでナンバーワンでしょう。
本作でも素晴らしかったです。少し残念だったのは、個人的に密かに期待していた広末涼子です。
私は彼女の大ファンで、「恋愛寫眞」は私のパーソナルベストの1つなのですが、
最近はどうも壁にぶち当たっているように思われてなりません。
「おくりびと」では主要登場人物の中でただ1人、個人賞から漏れた感があります。
あの繰り返し流される「汚らわしい!」の台詞は、私にはどうしても及第点に思えないのです。
本作品では、ある新聞の映画評で「一皮むけた」と賞賛されていましたが、
私にはそこまでとは感じられませんでした。
期待度が大きすぎたからかもしれませんし、彼女の特徴的な声色が、
今では彼女にとって最大の弱みなのかもしれません。
でもきっと彼女なら、近いうちに本当に一皮むけてくれると信じています。

この映画で少し残念だったのは、終盤でミスが多かったことではないでしょうか?
中谷美紀の顔の傷や真後ろに倒れるシーンには違和感があります。
挿入曲「オンリーユー」は、映画にマッチしていないこと甚だしいと思いました。
さらにエンドロールに流れる中島みゆきさんの歌も、彼女が作った多くの主題歌の中では
数少ない失敗作ではないかと思います。
主題歌の作り手としても最高級であるだけに残念でした。
とはいえ、やはり「下手くそが出ていない」作品は気持ちの良いものです。
中谷美紀さんの凄さを是非ともご堪能下さい。
2009.12.14 Mon l 映画 l コメント (0) トラックバック (0) l top
元編集委員Nです。

私も先々週にThis is itを見ました。
「2週間限定」と聞いて焦って観にいったのですが、興行成績が良くて上演期間が延長されました。
ちょっと怒りましたが、良い作品だったので後悔はありません。

さくらさんと同じ感想で、共演者たちのマイケルへのレスペクトに溢れる秀作でした。
スキャンダル関連のことが一切入っていないのが良かったです。
私はマスコミを信じていませんから、報道されていた内容の大半は
ガセネタではないかと思っています。
お葬式の時の娘さんのスピーチを聞いて、なおさらそう思いました。
50歳であれだけ痩せていて、どうしてあのようなダンスができるのか、
どこに筋肉があるのか不思議なくらいでした。
若い頃と比べてわずかにスピードや切れは落ちていますが、世界中から集まって
厳しいオーディションを勝ち抜いたダンサーたちの中心で、素晴らしいパフォーマンスを
見せていました。
やはり時代を代表する超一流のエンタテイナーです。

さて先週は「沈まぬ太陽」を観ました。
これは3時間半近い超大作ですが、途中でトイレ休憩があるのでオジサンには助かります。
俳優陣はものすごくて、大物のチョイ役がたくさんいます。
「あれっ今のは?」だけでも楽しめるくらいです。

山崎豊子さんの作品には、関係者からは賛否両論あるでしょう。
「白い巨塔」は、特に一番最近になって唐沢寿明主演で放映されたシリーズは、
現在の医療関係者から見れば問題点だらけです。

私はJALの関係者ではありませんし、真偽のほどはよくわかりませんが、
この映画を観ると、なぜに今、JALがこれほどの経営危機に瀕しているのかが良くわかります。
政治家や天下り官僚たち、また組合幹部たちによって食い散らかされたのが本質でしょうが、
深く考えずにただ「便利だから」と空港を誘致した地方自治体と、それを支持してきた
住民や地方マスコミもまた責任重大なのだと思います。

福井空港は幸い事業中止に追い込まれました。
もし進んでいたら静岡や茨城のようになっていたでしょう。
新幹線にしても、利点ばかりが強調されて在来線が残す問題は隠されています。
政権交代で福井への延伸が凍結されて、私は個人的に喝采しています。

例によって話がずれましたが、「沈まぬ太陽」は見て損のない作品です。
原作が凄すぎてカバーしきれていないとか、御巣鷹山事件を入れた
(おかげで木村多江の名演技が見られてよかった)ので余計に長くなったとか、
色々意見はあるでしょうけど、やっぱり様々な人間模様が良く描かれていたと思います。

心配なのは三浦友和がちょっと太りすぎではないか、百恵ちゃんも太ったのだろうか?
加藤剛さんはあまりにも痩せすぎている、健康は大丈夫だろうか?
といったところでした。

なおテレビでは現在、山崎豊子さんの「不毛地帯」が放映中です。
心配したとおり、視聴率はとても低いようです。
「官僚たちの夏」と同様で、このような骨太の作品を連続して観てくれるテレビ視聴者が
激減しているのでしょう。
確かにテレビの「不毛地帯」は、ちょっと変に力が入って良くないところも目立つのですが、
こういう作品が低視聴率に終わると、もうテレビでは重厚な作品が製作されなくなるのではないかと心配しています。
最近は似たようなクイズ番組・報道番組ばかりでウンザリですから。
2009.11.26 Thu l 映画 l コメント (0) トラックバック (0) l top
こんにちは、さくらです。
連休中に「THIS IS IT」を観に行きました。

私はマイケル・ジャクソンのファンというわけではありませんが、あれだけ世界中の
人々に知られ、影響力もあった、まさに“唯一無二”の存在だった彼が、
あのような死を迎えてしまったことは、とても衝撃でした。
映画の公開期間が延長されたことと、友人が映画を観た知り合いから薦められた
ということがあり、連休初日に行くことにしました。

映画の内容は、7月からロンドンのO2アリーナで開催されるはずだった
「THIS IS IT」ツアーのリハーサル模様を中心に構成。
そこに映っているマイケルは、終始、音楽に対する真摯な姿勢を持ち、
時には子供のような茶目っ気も覗かせていました。
とても50歳とは思えないダンス・パフォーマンスに、迫力のある舞台演出。
どれをとっても、彼にしかなし得なかったことだと思います。

スキャンダラスな面ばかりがマスコミに取り沙汰された感がありましたが、
この映画からは彼の本質ともいうべき、音楽家、エンターテイナーとしての才能や
こだわりなどを強く感じ取ることができました。

とても印象的だったのは、演奏者やダンサーたちは皆、昔からマイケルに憧れ、
彼と同じステージに立てることを誇りに思っている、ということ。
演奏者やダンサーたちへのインタビューからも、彼の影響力の偉大さを思い知らされました。

エンドロールの最後にスクリーンに映し出された「HEAL THE WORLD」の文字。
みんなと自分のために世界をよくしていこう、と歌うこの曲こそが、
彼が生涯を通して言いたかったことなんだな、と思いました。

終映後、会場の一部から拍手が沸いていました。
2009.11.26 Thu l 映画 l コメント (0) トラックバック (0) l top
元編集委員Nです。しばらくブログをお休みしていて申し訳ありません。少し忙しかったこともありますが、書きたいと思う映画に出会えませんでした。「ディア・ドクター」は書く気満々で見に行ったのですが、どうしても無理でした。面白くなかった訳ではありません。良い作品だと思います。非常に大切なテーマを扱いながらも、「ゆれる」のように重くなくて、最後も笑顔で軽やかに終わります。でも、正直どうしたらよいのか、よくわからないのです。何が本当なのか、何が正義なのか?観客それぞれが問われているし、正答はないのでしょう。見事です。西川美和監督の力量に脱帽するばかりです。

さて、そろそろ書かねばと思っていたところで、「私の中のあなた」を観ました。ご存じでない方のためにあらすじを簡単に紹介します。キャメロン・ディアス演ずる母は、長女が白血病になったために、弁護士の仕事を辞めてその看病に専念します。再発が続いて打つ手がなくなり、最後の手段として、その長女に移植パーツを提供する目的で、遺伝子適合まで前もって確認できる、いわゆる試験管ベイビーの次女を産みます。ところがその次女がある日、「自分の臓器を提供させない」ために敏腕弁護士を雇って親を訴えるのです。こう書くといかにもアメリカ的ですが、実際にはそうではありません。ウラがあるのですが、それは観てのお楽しみです。いかにも怪しげな弁護士にせよ医師にせよ、意外なほどにオフラベルともいうべき「適応外」行動をします。米国流の「人情味」が、ここには溢れていました。

キャメロン・ディアスは文句なしに素晴らしい演技です。娘のために全てを投げうち、「できることは何でもする」を実践し続け、いつのまにか「それをやり続けること」自体が目的化して爆走が止まらない母を、ほぼノーメークで演じ切りました。コメディの女王と賞され、昨年はハリウッドで最も稼いだと言われる彼女が、シリアスな演技でも文句なく名女優であることを証明するものでした。「ホリディ」もそうですが、ちょっと悩みや欠点のあるキャリアウーマン役が、彼女にはぴったりです。この種の米国人キャリアウーマンの方が、「セックス・アンド・ザ・シティー」に出てくるウザイ連中よりも、私はずっと好きです。ソフトバンク製携帯が発売された初期の、彼女のCMも好きでした。書類を抱えて猛烈にしゃべりながら歩き、途中で書類を落として慌てて拾い集めながらも、ずっと手振りしながらしゃべり続けるヤツです。

次女を演じたアビゲイル・ブレスリンは、「リトルミスサンシャイン」で10歳にしてオスカーにノミネートされ、一昨年の「幸せのレシピ」では、キャサリン・セタ・ジョーンズの娘役を器用に演じていました。子役だから当然かもしれませんが、この2年間の成長ぶりには目を見張るものがあります。日米ともに天才名子役の将来は実にピンキリですが、私は彼女のことをジョディ・フォスターなみの大器だと思っています。是非とも道をあやまらないで欲しいと思います。

実は私は、20年以上前に自分の知り合いがこの物語と似た環境におかれていたので、それが心の中にひっかかって、なかなか観る勇気が出ませんでした。でも、本当に観て良かったと思います。ちなみに監督さんは、これまた私の大好きな「きみに読む物語」を撮った人です。前述した以外にも、随所で「米国流」の暖かさを感じることができます。秀作です。是非ともご覧下さい。
2009.10.13 Tue l 映画 l コメント (0) トラックバック (1) l top
元編集委員Nです。

夏休みシーズンが終わりに近づき、そろそろ空いてきたかと「ハリー・ポッターと謎のプリンス」を観た。このシリーズは全作品を観ているが、正直言って最近は「仕方なく」観ている。三男と妻は原作を読んでいるので楽しみにしており、「映画ではいかに多くの重要な部分が省略されているか」を熱く語ってくれるのだが、第2巻で読むのを断念した私にとっては、その説明についていくのさえ少し辛い。ただ、わからないなりにも、まずまず面白く作られているし、「シリウスって誰だっけ?」というレベルでも何とか大筋にはついていける。「ついにこれでラス前、次でおしまい」という気持ちもあり、さほど飽きずに見続けられた。しかし何と言うことでしょう!最終話はさらに2回に分けての上映になるとのことでした。妻には「えっ、知らんかったん?」と冷たくあしらわれ、ショックを隠しきれなかった。ちょうどエアロビクス後半でふらふらになった頃、「あと1回」と言われて最後の力を振り絞って踊りきったら、「乗ってきましたね。あともう1回行きましょう!」と叫ばれて膝が崩れそうになるのと同じような気分だった。連続シリーズは、常に罠にはまる危険を伴っている。「二十世紀少年」は何とか第一作を観ただけで、これは私にはダメだと2作目の鑑賞を断念できたが、「ターミネーター」は5が出たらやはり観てしまいそうに思う。

夜になって、今度はテレビで「フレフレ少女」を観てしまった。もう何と形容したらよいかわからない。これほどレベルの低い、ずさんな作りの映画は最近では珍しいと思うくらいの駄作である。甲子園球児は愚弄されているに等しいし、応援団に関わっている人にとってもそうだろう。私自身、高校時代に応援団長を経験しているので、観ていて辛かった。ただ、ここまで酷いと逆に笑えてしまうのが哀しい。そして主演の新垣結衣のあまりの綺麗さ・可愛さに途中で観るのを止められなかった自分が情けない。以前にちょこっと書いたが、彼女の出演したポッキーのCMは歴史に残る名作品だと思っている。藤谷美和子が出演した「カルビーのポテトチップス」以来の感動である(わかる人がどれくらいいるでしょう?)。いずれにせよ、彼女は最近、多くの作品に引っ張りだこである。演技力がついて、その美貌に負けない立派な女優に成長してくれることを祈っている。

夏休みが終わりに近づき、甲子園大会もようやく終わってくれた。私は正直、甲子園野球にほとんど興味がない。商業主義に毒されているところが多いと感じているし、野球だけがもてはやされるのは不快である。まして最近引退したK原など、「高校時代からタバコを吸っていた」と堂々と話すヤツは許し難い。いくら人気が高くても、「クローズZERO」や「ドロップ」のような不良・暴力礼賛的要素のある映画は、宣伝を見るだけで吐き気がする。しかし何と言っても甲子園野球で一番困るのは、テレビの放映予定が狂わされることである。今回もそうであった。「アクターズ・スタジオ・インタビューhttp://www.nhk.or.jp/bscinema/actors_studio/」は、映画ファンにとってはたまらない、スターの素顔が見られる最高級のインタビュー番組である。 この番組が「不定期に」「ほとんど宣伝なく」「変な時間帯中心に」放映されるのは、NHKの勘違いではなかろうか?先日、久しぶりに放映されていることを知って、その日から全てを録画予約していたのだが、甲子園野球のために時間が変わってしまい、見たくもない野球中継が録画されていた。これだから私は甲子園が好きになれない。
2009.08.25 Tue l 映画 l コメント (0) トラックバック (0) l top
元編集委員Nです。「アマルフィ 女神の報酬」を観てきました。私は正直言って、さほど乗り気ではなかったのですが、残念なことに?妻が織田裕二の大ファンなので、仕方なくつきあいました。織田裕二というと、私にはどうしても「東京ラブストーリー」の数々の名場面が忘れられません。あの時の彼は最高でしたし、鈴木保奈美のリカは、さらに素晴らしかったです(原作の赤名リカとはちょっと違うキャラに描かれており、原作よりもずっと良い人)。物語の質としては原作の方が優れているものの、テレビドラマ・ラブストーリーとしてはテレビの方が優れていた、結局はいずれもそれぞれの良さが存分に発揮されていた、思い出深い作品です。彼女の「カンチ~」とか、別れに反対方向に歩いていく約束をした後で織田裕二が振り返って言う「ズッチ~ナ」は、今でも時々思い出して練習しています。

話を本題に戻しますが(といって、いつも本題についてはさほど書きませんが)、この映画はなかなか良いと思います。織田裕二の映画は正直言って、B級作品ばかりだと思います。「県庁の星」とか「ホワイトアウト」とか、どうも「大事にされすぎ」みたいな感じが残ってすっきりしません。「踊る大捜査線」は凄く面白かったけれど、あれはテレビ作品が秀逸だったついでのようなもので、テレビを大きく超えてはいません。そして「踊る大捜査線2」は、残念ながら最低最悪の映画の1つでした。でも、「アマルフィ」の織田裕二は、一貫して厳しさ・暗い陰をひきずりながら、しっかりと優しさも行動で示していて、「新しく成長した織田裕二」を感じさせます。文句なしです。共演の天海祐希が、また素晴らしい演技です。BOSSなんかより断然良いです。真矢みきもそうですが、宝塚の女優養成所としての底力を感じさせます。2人とも、どんな役柄でも器用にハイレベルでこなせるところが凄いです。その一方で、佐藤浩市は何故かイマイチで、ちょっとかすんでいました。少し出過ぎなのかもしれません。でも、とにかく見て損はない映画だと思います。戸田恵梨香も若いのに本当に良い仕事していますから。

なお、この映画にアマルフィ(イタリアの名勝地)の美しさを求めてはいけません。そういうシーンはごくわずかです。またテレビとタイアップするのは、このご時世だから許せますが、主人公の過去を謎めいたものにし、それを知るためには「ドコモ動画」を観なければならないというのは、ちょっと許し難い宣伝方法だと思います。NTTドコモの傲慢さが溢れかえっています。私は諸般の理由で携帯はずっとドコモしか使っていませんが、今回ほどドコモのことを「汚い」と感じたことはありません。ただNTTグループは、どうも本質的にこういう体質なのかもしれません。

なおミッキーロークがアカデミー主演男優賞の候補になった「レスラー」も観ました。これは正直言って、一部のコアなファンの方以外にはお勧めしません。プロレス大好き、とかミッキーローク大好きとか、そういう方にのみお勧めです。私にとってミッキーロークは、賛否両論うずまく映画でしょうが、「シン・シティー」が一番良かったと思います。いずれにせよ、格闘シーンや血がダメな人は避けて下さい。
2009.08.04 Tue l 映画 l コメント (0) トラックバック (0) l top
元編集委員Nです。最近は、どうも連続テレビドラマが不振です。昨年は「風のガーデン」が一番良かったと思うのですが、緒方拳の遺作である、ガーデンがとても綺麗、それにもまして黒木メイサが綺麗、カンパニュラの恋が素晴らしい(嫁さんが着うたにした)といった、ドラマ本体以外の要因に助けられた感があります。春の新作は、ほとんどがコケました。辛うじて評判が良かったのは「BOSS」ですが、私にはダメでした。戸田恵梨香や玉山鉄二が不憫に感じられてなりませんでした(アマルフィの天海祐希・戸田恵梨香は、ともにとても良かった)。「MR.BRAIN」も期待された視聴率のノルマを何とかギリギリ達成したようですが、これは安定したキムタク人気と綾瀬はるかに支えられたもののように思われます。犯人役を演じた豪華ゲストたちは、ほとんどが空回りしていました。また、お笑い芸人や歌手たちを流用するのは、多くても2人までにしてもらいたいものです。学芸会ではないのですから。


今年は松本清張生誕100年にあたるとかで、「夜光の階段」は全部見てしまいました。さすがに原作が良いので、辛うじて見続けられました。しかし、テレビドラマとしては失敗だったと思います。私は藤木直人が嫌いではありません。NHKの朝ドラの時から良く知っています。好感を持っています。でも残念ながら彼は、演技も歌も、正直言って下手です。イメージを一新しようと言うチャレンジ精神は買いますが、無理がありました。また競演の木村佳乃があまりに酷い。その他にも大勢の名優が出演していたのですが、彼らまでが、「下手におつきあい」していたかのようでした。一方、同じ松本清張生誕100年記念番組でも、1回だけのスペシャルドラマであった「旅路」は名作でした。役所広司はいつもながら文句のつけようのない無難さでしたが、何と言っても深津絵里の美しさが際だっていました。「何故?」が最後まで残るドラマではありましたが、彼女の控えめな抑えた演技が最高でした。さらには十朱幸代や木村多江が、さすがの上手さで全体を引き締めていました。どうして最近は、彼女たちのような「抑えた」演技ができない俳優が多いのか、大げさな演技が蔓延しているのか、少し哀しくなります。


さて、表題の「官僚たちの夏」です。もう時代錯誤も甚だしい内容です。言っていること、正義側の主張は、現代の常識から見ればメチャクチャです。でも不思議なくらい、色々と考えさせられます。彼らのやってきたことを全て否定して日本の一番貴重な部分を壊してしまった小泉・竹中の2人は絶対に見ない、見ても軽蔑する内容でしょうが、その中には微妙に大切なことが、たくさん描かれています。マスコミやこれに迎合する政治家の多くがひたすら「官僚バッシング」に血道を上げ、「官僚主導による行政」「企業と霞ヶ関の癒着」が崩れ去ろうとしている今だからこそ、逆にこの時期に放映している意味があるように思われます。城山三郎の作品ですから、もちろん内容はとてもしっかりしています。強いて言えば、主要登場人物の演技が、やっぱり少し大げさすぎるのが気になるだけです。堺雅人はいつも思うのですが、舞台と映画やテレビの違いがわかっていないような気がします。高橋克美は「フルスイング」の主役に抜擢されてから、ますます必要以上に力み過ぎています。佐藤浩市までが、その悪影響を受けているように感じられてなりません。その中で吹石一恵だけは、しっかりと感情を抑えた演技で好感が持てます。このドラマもまた、「三丁目の夕日」と同じく東京タワーができたりオリンピックが開催されたりした頃が背景です。その時代が大好きな人たちには、特に見逃せないドラマだと思います。
2009.07.24 Fri l 映画 l コメント (0) トラックバック (1) l top
元編集委員Nです。
ブログネタを仕入れるために(そればかりではありませんが)、3日間で5本も映画を観てしまいました。
うち映画館で観たのは2本です。
一番の目的は、最近公開された「ターミネーター4」でした。
私のブログでは今まで、既に上映が終わってしまった、あるいは終わりが近い作品ばかりを取り上げていたからです。
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でも残念ながら、ターミネーター4については、さほど書くことはありません。
決して「面白くない」という訳ではありません。「見て損は無い」レベルだと思います。
でも前シリーズ、特にターミネーター2が傑作だっただけに、これと比べるとかなり見劣りがします。
また女性がターミネーターになったというだけで2よりも弱かった3ですが、それでもやはり、1対1の対決は最後までスリリングでした。
一方、今回から3回シリーズが予定されているターミネーター4は、今までとは全く別のものだと思った方が良いでしょう。
たっぷりお金をかけた、機械と人間の戦争物です。


一方で、期待を大きく大きく上回ったのが、「愛を読むひと」でした。
ご存じの人も多いでしょうが、第81回アカデミー賞で作品賞を含む5部門にノミネートされ、ケイト・ウィンスレットがオスカーを受賞した作品です。
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ものすごく多くのテーマを含んだ作品です。
無償の愛が一番の宣伝文句ですが、識字、裁判の誤謬性、戦争犯罪、ナチズムなど、いずれも深いテーマです。でも何よりも圧倒的に凄かったのは、やはりケイト・ウィンスレットの演技でした。
私はこれまで彼女をさほど高く評価していませんでした。
最近では「ホリディ」と「レボリューショナリーロード」を見たくらいですが、上手いとは思っても感服はしませんでした。
「もうちょっと痩せた方が良いんでないの?」くらいの感覚でした。

しかし、この作品の中の彼女は全然違いました。
最初から最後まで、圧倒的な存在感に溢れ、アラフォーからの30年を見事に演じきりました。
何の予備知識もなく見に行ったために、最初の頃は「不道徳な恋のお話?」と勘違いしたのが恥ずかしいです。

短い夏の恋が終わった後の展開は、時間を前後しながら進められます。
話の中には随所に多くの謎の種が落とされており、それらは最後に完全に解き明かされます。
「彼女の秘密」に最後まで気づかない人は少ないでしょうけど、どの時点で気づくかには、かなり個人差があると思います。
時間を前後させる展開や映像の美しさが「めぐりあう時間たち」によく似ているなと思ったら、同じ監督でした。

さらには、受賞後のインタビューで知ったのですが、主演女優の変遷が小説じみています。
この作品の主演には、元々ケイト・ウィンスレットが予定されていました。しかし前述のレボリューショナリーロードの撮影が遅れたために、ニコール・キッドマンに変更になったのです。
ところが今度はそのニコール・キッドマンが妊娠したため、結局ケイト・ウィンスレットが演じることになりました。
ニコール・キッドマンは「めぐりあう時間たち」で、そしてケイト・ウィンスレットはこの「愛を読むひと」で、それぞれアカデミー主演女優賞に輝きました。それだけでも興味が湧きません?
是非とも急いで映画館に足を運んで、どうしても無理ならDVDで、彼女を堪能して下さい。
ヌードシーンがたくさんありますが、そういう点ではありません。彼女の迫真の演技は、映画史上に残る素晴らしさだと思います。

なお蛇足ですが、相手役のレイフ・ファインズが、渋さに溢れて脇を固めています。
彼のことはハリーポッターのヴォルデモート卿で知っている人が多いかもしれませんが、私にとってはレッドドラゴン(羊たちの沈黙シリーズの3作目)が忘れられません。
2009.07.12 Sun l 映画 l コメント (0) トラックバック (0) l top
元編集委員Nです。先日2夜にわたって放送された「刑事一代」は見られたでしょうか?伝説の名刑事平塚八兵衛氏を描いたドラマでした。評判はかなり良くて、視聴率も20%前後だったようです。私も2日間、ドラマとしてはとても楽しませてもらいました。

帝銀事件の取り上げ方は衝撃的でした。この事件は死刑確定後に何度も再審請求がなされ、刑が執行されないまま平沢氏は病死しています。約60年前の事件であったことから、取り調べの過酷さは足利事件のS氏が語っていた状況を上回るものだったでしょう。彼の支援者たちは、きっとこのドラマを強烈な怒りをもって見たのではないかと思います。真実は今も不明ですが、足利事件の冤罪が確定した直後に、このような内容の放送をしてよいものかどうか、ちょっと複雑でした。

吉展ちゃん事件の部分が一番面白かったです。渡辺謙と萩原聖人とのやりとりは抜群でした。死刑執行を目前にして、犯人が平塚氏に宛てて書いた手紙のエピソードが泣かせます。帝銀事件は私が生まれる前ですが、吉展ちゃん事件は小学校に通っていた頃のことなので、かなりよく覚えています。でも最終的に逮捕の決め手となった日暮里大火のことなどは知らなかったので、まさにドラマチックな展開でした。

終盤で取り上げられた三億円事件は、残念ながら未解決に終わりました。この事件を題材にした小説やテレビ番組・映画の数は、夥しいものでしょう。私的には、宮崎あおいが主演した「初恋」が一番スキです。
数年前にこの映画を見ていたおかげで、様々なシーンをいっそう楽しむことができました。

この作品で一番素敵だったのは、原田美枝子さんでした。昔の仕事一筋人間にとっての理想の妻を、理想通りに演じておられたと思います。私は元々、原田美枝子さんをあまり好きではありませんでした。本格的デビュー作ともいえる「大地の子守歌」は私が京一会館に通っていた頃の作品ですが、一般に高評価されていたのが私には不思議でした。これに続く「青春の殺人者」も、水谷豊のことしか覚えていません。でも黒澤明監督の「乱」を見た時に「おお~っ」と考えを改めはじめ、「半落ち」を見た時にはもう尊敬していました。「60歳のラブレター」は、何となく妻と見るのが怖くて見ていないのですが、テレビで放映される頃になったら、こっそり見ようかと思っています。

最後に個人的に収穫だと思ったのは、相武紗季でした。私は彼女が出ているボールペンのCMが大好きで、ガッキーのポッキーに並ぶ名作だと思っています。でも女優としての彼女は、正直いただけませんでした。「牛に願いを」とか「絶対彼氏」とか、5分も見たら苦痛です。でも「刑事一代」の彼女は違いました。一皮むけたと感じました。宮崎あおいを筆頭に、最近は可愛いだけでなくて演技も上手な若手女優が急増していますから、彼女にも是非その仲間入りをしてほしいと思っています。あれだけ可愛いのですから。いつもながら、個人的趣味が優先して申し訳ありません。
刑事一代


2009.06.29 Mon l 映画 l コメント (0) トラックバック (0) l top
こんにちは、編集部のバッカスです。

6月19日は太宰治生誕100周年の日でしたね。
生誕100周年を記念して、今年は映画も何本か公開されます。
先日、運良く「パンドラの匣」の試写会に行くことができました。

結核を患う少年・ひばりが入所した、風変わりな結核療養所を舞台にした物語で、太宰には珍しく明るい作品です(実は読んでいないので、ぜひ読んでみようと思います・・・)。
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映画は主演の染谷将太さん、映画初出演の芥川賞作家・川上未映子さんの演技がとても良かったです。菊池成孔さんの音楽もとても素敵に映画にはまっていました。
公開は10月予定ということで、公開したらまた観に行きたいと思います。

現在「斜陽」が公開中、10月には「パンドラの匣」の他「ヴィヨンの妻」が公開予定のようです。

「パンドラの匣」公式サイト
2009.06.23 Tue l 映画 l コメント (0) トラックバック (0) l top
元編集委員Nです。先日、取締役を務めていた略称MICという会社を退職しました。お金も大事ですが、信頼関係などプライスレスなものはもっと大事ですから。ようやく肩の荷が下りて、今まで以上にお気楽に過ごせるようになりました。ということで、早速また映画を見に行きました。いつも夫婦50歳割引で見ています。

スラムドッグミリオネアは、昨年のアカデミー賞をほぼ総なめにした作品です。絶対に見なければと思っていたのですが、大手の配給ラインではないためか、いつまで待っても私の住む地方都市の主要映画館には来ませんでした。隣接する小さな市のシネコンで上映されているのがわかったので、終わらないうちに、と車を走らせました(30分ちょっとですけど)。

アカデミー賞をとって当然の映画です。かなり重い内容が背景にありますが、それでも比較的明るく、何よりも力強く描かれています。皆さんご存じの「クイズミリオネア」のインド版が舞台ですが、司会者はみの某のように必要以上に引っ張らないので助かります。最初の方で主人公が肥溜めに落ちるシーンがありますので、食事前後の鑑賞はお勧めしません。ジャマールとラティカという主人公カップルの名前が心地良い響きです。

ジャマールは、お金を求めてクイズに応募したわけではありません。ラティカに会いたかったからテレビに出たのです。自分の身の安全など顧みず、ひたすらラティカへの愛を貫き通しました。幼少時に一目惚れして以来ずっとですから、今の若い人も捨てたものではありません。私が大好きな「君に読む物語」も永遠の夫婦愛がテーマですが、こちらの愛は青春時代から死ぬまでです。長さでは「君に読む物語」に軍配が上がりますが、幼少期から青年までという人生の濃密度を考えれば、優劣はないでしょう。繰り返しになりますが、ジャマールが追い求めたのは、賞金ではなく愛というプライスレスなものでした。

映画やテレビを見ると、私はよく本題とは無関係なことに気が回ってしまいます。「2000万ルピーは日本円に換算していくらだろう」くらいは誰でもちょっと気になるでしょうが、私の場合、「ルピーもリーマンショックで暴落したんじゃなかろか?でもドルと連動しているから南アフリカほどじゃないか?」とかまで考えてしまいます。日本では宝くじに当たると「億万長者になった人の心得」みたいな冊子が渡されるそうですが、「優勝賞金の高いクイズ番組でも同様のことが必要では?」とかも気になります。「三銃士の名前というのは、最後の問題としてはあまりに簡単すぎる。ダルタニアンにさえひっかからんかったらOKや」とかも突っ込んでしまいます。

でも何はともあれ、見て損はない映画です。主題歌のインド音楽も、私は好きです。最後に主人公を中心に歌い踊るシーンは、ちょっと踊りが下手でしたが、初々しくて良かったです。以前に北野武監督の「座頭市」で、似たようなパターンのラストを見たのを思い出しました。私は北野作品が嫌いではないし、Dollsはとても好きな作品の1つです。でも「座頭市」は私的には最悪だったので、ラストの踊りも共感できませんでした。それにひきかえスラムドッグミリオネアのラストは、ずっと微笑ましく見続けることができました。是非とも劇場でご覧下さい。
2009.06.21 Sun l 映画 l コメント (0) トラックバック (0) l top
元編集委員Nです。編集部の方が頑張ってブログを充実させようとしておられるのに啓発され、私も少し書いてみようかと思います。

「趣味は何ですか?」と聞かれると、本当はちょっと困ります。最大の趣味は「嫁さん」そして「息子たち」だからです。でもそれだと引かれる方が少なくないですから、最近は「映画鑑賞」と答えることが増えてきました。高尚そうでしょ?学生時代には伝説の「京一会館」に足繁く通っていた時期があります。「人間の條件」をぶっ続けで見たのもその頃です。もちろん「日活ロマンポルノ特集」なんかも見てました。その後は忙しくなって年に数本しか見られない時期が続き、最近になって少し余裕が出てきたこと、老後に向けて趣味を増やす必要性から、また頻繁に映画を観るようになりました。

前置きはこのくらいにして、最近もっとも楽しかった作品は、「おっぱいバレー」です。題名が生々しいので、なかなか観に行く勇気が出なかった人も多かったと思います。私たち夫婦もそうでした。でも正直に言いますが、私は「綾瀬はるか」さんをあまり好きではありませんでした。長澤まさみさんの「世界の中心で、愛をさけぶ」を映画で観たあと、彼女がテレビで同じ役を演じたことが不運だったのです(私に好まれないことが不運だというエビデンスはありませんが)。私は長澤まさみさんのような、いわゆるマルポチャが好みです。ウリザネ顔はちょっと苦手です。そういった理由から反感を抱いてしまったのです。さらに彼女は「たったひとつの恋」に出てしまいました。これは憎むべき作品です。だって主人公は亀梨和也なんですから。彼のようなイケメンは、私たちオジサンの敵です。まして、永遠のアイドル小泉今日子と浮き名を流すなどもってのほかです。

話がそれて申し訳ありません。「ボクの彼女はサイボーグ」も「ICHI」もパスできたのですが、「おっぱいバレー」は避け切れませんでした。彼女のおっぱいが見られるわけなどないので、そのような期待は100万分の1くらいしかなかったのですが、何となくオジサンは、懐かしい時代の映画が好きなんです。「ALWAYS三丁目の夕日」が好きなのと同じです。自分の青春時代をちょっぴり思い出すからでしょう。「おっぱいバレー」で冒頭に10分くらい展開される男子中学生たちのオバカ・スケベぶりは、まさに私の中学時代そのものでした。学校帰りにバスを待ちながら、バス停前の本屋さんで平凡パンチやプレイボーイを立ち読みするのが、あの頃は最大の楽しみだったかもしれません。

ストーリー自体は、映画紹介をみられれば、それでほとんどわかります。展開も結末も、ほとんど予想通りです。特に驚きは何もありません。付け加えるなら、綾瀬はるかが教師の道に進むきっかけを作ってくれた先生のエピソードが秀逸です。これもある程度は予想通りですが、とても美しく展開されています。カメラワークが素晴らしいです。同僚教師役の青木崇高が、また良い味出してました。NHK連ドラ「ちりとてちん」、映画「銀色のシーズン」と、キャラがずっと変わらないところに将来の不安を少し感じますが、彼は生きのびそうに思います。

「おっぱいバレー」自体の話が少なくて申し訳ありません。でも多くの地域で既に上映は終わっていますから、テレビやDVDでご覧下さい。この作品に関しては、映画館でなくても感動に大きな差は無いと思います。とにかく「騙されたと思って」見て下さい。楽しくてちょっとだけ泣けて、清々しい気分になること請け合いです。彼女の顔が好みでない私でさえ、「綾瀬はるか」という女優を見直してしまいました。彼女の天然ぶりは、見ていて楽しいです。「さんま御殿」や「くめぴぽ」で彼女のウサギの顔マネを見た人は幸せだと思います(私は2回とも見られた)。「MR.BRAIN」は、彼女の良さが今までで一番良く引き出されている作品だと思います。

長くなってすみません。今年に入ってから観た中で、映画としてのベストワンは「グラン・トリノ」です。次は「チェンジリング」でしょうか。両方ともクリントイーストウッド監督ですね。ではまた、余裕がある時に書きます。
2009.06.19 Fri l 映画 l コメント (1) トラックバック (0) l top