fc2ブログ
GWの谷間、いかがお過ごしでしょうか?まみあなです。



今日ご紹介するドラマは「今夜、宇宙の片隅で」。



img20080627_p.jpg




覚えていらっしゃる方はかなり少ないんじゃないでしょうか。普通にドラマを観ている方の中でこれを覚えていらっしゃる方は、かなりのドラマニアだと思います。



と、言うのも先日フジテレビ開局50年を記念した「わが家の歴史」というドラマが3夜連続で放送されていましたが、脚本は三谷幸喜。映画と見紛うほどの豪華キャストで、視聴率もかなり良かったとのこと。
いまや日本を代表する脚本家となった三谷幸喜、不遇の作品こそがこの「今夜、宇宙の片隅で」だからです。



このドラマはかなり異色でした。
主演は3人。石橋貴明、飯島直子、西村雅彦、あと出てくるのは日本食材の店「楠」の店長だけ。
典型的なシチュエーションコメディですが、こうした作品は日本には文化として根付いておらず、本場はアメリカ。日本におけるシットコムの歴史はほとんど彼が作ってきたものだと言っても良いくらいでしょう。しかし、この作品をそうした語られぬ歴史の中に埋没させて良いものではないぐらい、良質なドラマです。



敬愛するビリー・ワイルダーの「アパートの鍵貸します」などをオマージュにした作品は、アパートの中だけで話が展開して行きます(シットコムだから当たり前ですが)。
冴えない男と、2枚目の男が、1人の女を取り合う。ただ、それだけですが、この設定と空間の中でこれほどまでに展開できることがあるのかという程、面白い。
石橋貴明はジャック・レモンを、飯島直子はシャーリー・マクレーンとマリリン・モンローを意識しているのでしょう。恐らく裏テーマはビリー・ワイルダーを西村雅彦が料理したら、だったのではないでしょうか。彼にピッタリの役柄、シチュエーション。ダメさ加減極まると言う、だらしなく、良いところがない、けれど憎めない、三谷幸喜お得意の描写が素晴らしい。



ドラマに詳しい方ならわかるかもしれませんが、発送は間違いなく「やっぱり猫が好き」であり、「子供ほしいね」なのでしょう。2本とも三谷幸喜の脚本ですが、前者は彼の出世作で、ドラマの脚本を描く楽しさやコツを掴んだターニングポイントの作品です。
これをプライムタイムでやってしまうこと自体が冒険だったと思います。まだまだ三谷幸喜という名前だけで数字を取れるわけでも、注目されるわけでもなかった時代、渾身の作品として本作を世に送り出したのでしょうが、結果的には「テレビ界に見切りをつけた」と思ってしまうぐらい、低調だったわけです。
個人的に同じ程度の視聴率だった「総理と呼ばないで」や「合言葉は勇気」などとは比べ物にならないぐらいホンが練られていたので、当時は注目度の低さに首を傾げていました。



三谷幸喜フリークとして、彼のテレビドラマでの最高傑作は「警部補 古畑任三郎」でも、「王様のレストラン」でもなく、本作だと思います。それぞれをまた取り上げるかもしれませんが。
VHSのみの発売で、現在手に入れるとしたら中古か、レンタルですが都内でも在庫があるTSUTAYAは渋谷ぐらいしかないでしょう。もしくはスカパーで再放送されるのを辛抱強く待つしかないでしょう。GW、頑張って手に入れて、ご覧になるのも悪くないかもしれません。



三谷幸喜がシットコムでリベンジを果たした「HR」については、また別の話。
スポンサーサイト



2010.04.30 Fri l ドラマ l コメント (1) トラックバック (0) l top
こんにちは、エリンギです。

もうすぐGWですね~。混まなくて楽しい所へ行きたいです。

さて、今回のブログでは、最近読んだ本を紹介します。

みなさんは、3年前に世間を大きく騒がせた食品偽装事件を
覚えていらっしゃいますでしょうか。

そう、北海道の食肉製造加工会社で起きた「ミートホープ事件」です。
牛肉100%と表示しているひき肉に他の動物の肉や内臓を混ぜるなど、
様々な偽装の手口で不当な利益を得ていたことが
内部告発によって発覚した事件です。

本書「告発は終わらない―ミートホープ事件の真相(赤羽喜六・[取材・文]軸丸靖子)」は、
ミートホープ社のNO.2として勤務し、当時の社長による食肉偽装に
悩み苦しんだ末、内部告発という道を選んだ赤羽喜六氏の闘いの記録です。


meat.jpg


赤羽氏が会社の利益に比例してひどくなっていく偽装をやめさせようと
各機関へ訴え続ける姿が丁寧に描かれています。

確かにミートホープの社長は儲けるために偽装を続けました。
しかし、安いからといってその肉を喜んで食べ続けたのは誰だったのか?
コストダウンばかりを追い求めたのは、消費者も同じだったのではないか?

食の安全と消費者の在るべき姿について、
大変考えさせられる一冊です。ぜひ、ご一読下さい。
2010.04.27 Tue l l コメント (0) トラックバック (0) l top
桜の花は散ったのに、変な天気に辟易しています。
皆様おひさしぶりです、まみあなです。



今回は、(勝手に)新連載を開始したいと思い、畏まった挨拶をさせて頂きました。
映画などについては元編集委員N先生のエントリがございますので、自分はドラマについて語ってみたいと思い、こうして筆を執ることと致しました。
というのも、映画よりも早くからドラマにハマっていて、基本的な演技や脚本の機微は日本のドラマを主にして感じてきたからに他なりません。まぁ、堅苦しい挨拶はこの辺りに留め、基本的には毎週エントリを挙げて行ければと思っています。



記念すべき1作品目は「ロングバケーション」。



ロングバケーション [DVD]ロングバケーション [DVD]
(2001/11/21)
木村拓哉山口智子

商品詳細を見る




何だかドラマを語ると堅い響きで言っておきながら、この作品かと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、この作品が自分にとって「ドラマって面白い」と思い、放映中に留まらず過去のものまで見始めたターニングポイント的な作品なのです。



主演は木村拓哉、山口智子、脇を固めるのが稲森いずみ、松たか子、竹之内豊、りょう、と現在では考えられない豪華キャストですが、彼らがまだまだ現在の地位やキャラクターを確立していなかったから出来た布陣でしょう。当時は、月曜の夜にはOLが消えると言われた程に人気があり、キムタクの確固たる人気、「月9」という枠のイメージはこのドラマを起点にして生まれたといっても過言ではありません。
この作品は脚本を担当していた北川悦吏子は「なんでこんなに視聴率を獲れたのかわからない」と言っていましたが、脚本にあるキャラクターを補って余りある魅力をそれぞれの役者が発揮し、物語の奥にある登場人物の感情を表現していたからだと思います。
 主役は悩めるピアニストの瀬名秀俊。物語は結婚式に花婿に逃げられた葉山南が、白無垢姿で、瀬名の同居人であった結婚相手を探しに来るシーンから始まります。押しかけるように南が同居を始め、お互いの生きる上での悩み、恋愛の悩みを共有しながら、距離を少しずつ縮めていく、そんな物語です。



90年代にありがちだった友情物でも、都会的な生活のスタイリッシュさを描いたわけでも、恋愛に終始するだけのドラマでもなく、群像劇としても成り立っているドラマだからこそ、現在でも色褪せずに観ることができるのだと思います。
放映開始は4月からで、夜風が優しく、ほのかに暖かみを帯びてくると、このドラマを観たくなります。隅田川沿いにあった、ロケ地であるマンションはロケ終了後に取り壊されてしまいましたが、夜の川沿いを歩いていると、瀬名と南が二人で座っていたシーンを思い出し、ちょっとばかり懐かしくなることもあります。



挿入歌も好きで、実はサウンドトラックも持っているぐらいです。
夏前になると、再放送枠で観られる「ロンバケ」はDVDも出ていますので、夏になる少し前の夜に時間のある方は、是非観て頂きたい作品です。
2010.04.23 Fri l ドラマ l コメント (0) トラックバック (1) l top
こんにちは。なかです。
先日、目黒にある「目黒寄生虫館」へ行ってきました。

目黒寄生虫館
http://kiseichu.org/default.aspx


IMG_3838.jpg




入場は無料。いろいろな動物に寄生する寄生虫や
その病気にかかった動物の標本が並んでいました。

そして、この博物館の目玉は
何と言っても8メートルを超す巨大なサナダムシ君。


IMG_3839.jpg



感想は、
「ずっと一匹で腹の中に住んでて
 さみしかったやろうなぁ。」
と、彼(雌雄同体なので彼女でもある)の
孤独を思いました。


寄生虫は危険を及ぼすものもありますが、
長い間共生してきた歴史もあります。
人間本位の視点で目の敵にするよりも、
もっと、それこそ自然に暮らしていけたらいいなぁと思いました。


2010.04.08 Thu l 未分類 l コメント (0) トラックバック (0) l top