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編集部のくりぼーです。
今回私が紹介する書籍は、
橘玲の「知的幸福の技術 自由な人生のための40の物語」です。

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知的幸福の技術 自由な人生のための40の物語(幻冬舎文庫)

 「億万長者になって王侯貴族のような生活を送ることは誰にでもできるわけではないが、自分と家族のささやかな幸福を実現することは、難しくはない。必要なのはほんの少しの努力と工夫、人生を設計する基礎的な知識と技術だ。『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』の著者が、激変する状況のクールな認識から人生設計を再構築する方法を凝縮する一冊」という謳い文句に魅せられて読んでみました。
 内容は人生を経済的側面から考察していこうという感じで、語り口も淡々としていますが、読んでいて「おお!」となる場面の多い本でした。年金や生命保険の話などは、生きていくためには知識と冷静な判断力が必要なのだと改めて感じさせられました。その他にも、経済的な独立を果たし、家族を守ることのできる人間になるために、知っておくべきエッセンスが凝縮された一冊となっているのではないでしょうか。
 また、本書は筆者の主張をまとめた、いわば総集編のような構成となっており、要点が簡潔に書かれています。かといって、味気のない文章の羅列になっていることはなく、淡々と進みながらも読者を一気に引き込む文章力には、思わず唸りました。私もいつか、わかりやすさと面白さを兼ね備えた文章を書いてみたいものです。
 今、この年齢で読めてよかったと思える一冊でした。
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2012.10.29 Mon l 未分類 l コメント (0) トラックバック (0) l top
こんにちは、TNBです。
今回のオススメする書籍は、「オーパ!」(著/開高 健)です。

オーパ!
開高 健
集英社文庫
本体952円

オーパ!


 開高 健による約2ヶ月のブラジルアマゾン釣り紀行。ブラジルへの旅が行われたのは1977年、開高 健がなんと46歳の夏!?取材クルーとこれからアマゾンに挑むため、共に客船「ロボ・ダルマダ(無敵艦隊のオオカミ)」号に乗り込むところから始まります。船中で現地の食事に舌鼓をうつシーンや持ち込んだシャーロックホームズを読み少年時代を思い返すシーン、旅の仲間にアマゾンの風土や同音異義語(日本人にとって普段から使う言葉が、現地では全く別の意味の言葉に聞こえてしまう)の注意を受けるシーンから始まります。
 現地の人の生活や文化に触れながら、大の大人ほどの体調のピラルクー、獰猛なアマゾンのハンターであるピラーニャ(ピラニア)、全身が黄金色に輝くトラドなどのアマゾンに生息する魚たちに挑んでいきます。ちなみに「オーパ!」とはポルトガルの感嘆詞で「すごい!」「わぁ!」などを意味します。
 第1章から開高 健独特の、男臭く緻密なのに情熱的な文章が展開されます。「くにゃくにゃ」「ねっとり」といったどこか可愛らしい擬音が所々に使われているのも開高 健の文章の特徴です。外国での出来事をとても鮮明に思い起こさせてくれる文章は、サントリーの宣伝部でコピーライターとして活躍していたころに鍛えた開高 健だからこそできるもので「さすがだな」と感嘆してしまいます。文中の表現もそうですが、章タイトルも「死はわが職業」「心は淋しき狩人」など印象的です。
 また、この本はジャングルの一瞬一瞬をとらえた写真が、フルカラーで豊富に掲載されており、よりリアルなブラジルの姿と遠くアマゾンの風景をありありと感じさせるとともに、南国を旅している気分にさせてくれます。私自身は釣りはほとんど行ったことがなく、あまり興味もなかったのですが、様々な魚を釣り上げ満足げな笑みを浮かべている開高 健自身の写真を見ていると、読んでいるこちらも楽しくワクワクしてきて、「釣りっておもしろそう!」と思わせてくれます。
 日本は秋も深まり、冬まっしぐらな季節になってきましたが、常夏のアマゾンを読み自分を熱くさせてみるのもいいかもしれません。
2012.10.29 Mon l l コメント (0) トラックバック (0) l top
編集部の秀丸です。
今回私がご紹介する書籍は、
横山秀雄の「第三の時効」です。


横山秀雄



第三の時効(横山秀夫著、集英社文庫)



刑事たちの生々しい葛藤が読める短編集となっており、人物の描写がすごく、刑事一人一人の心情が濃密に、そしてリアルに描かれています。

表題の「第三の時効」が私のお気に入りです。

ある男性が、自宅のアパート・妻の目の前で男に刺し殺されました。逃走した男は妻の幼なじみ。被疑者の男は追跡を逃れつつ、まもなく15年の時効を迎えようとしている…。

しかし、被疑者は犯行後、1週間台湾に渡航しており、その期間は時効が停止しています。刑事たちは15年目の日を「第一時効」、1週間後を「第二時効」と呼び、時効が成立したと勘違いして姿を現す被疑者を捕捉しようと、捜査を続行します。

やがて、1週間が経ち「第2時効」を迎えた。そのとき、刑事・楠見は「捜査続行」を部下に命じます。果たして、楠見が考える第三の時効とは一体何なのだろうか…。

ラストにやってくる“大どんでん返し"に、度肝を抜かれます。

著者の横山秀雄は、もともと上毛新聞の記者。刑事たちの捜査手法を緻密に描けるのは、その時の経験を生かしているからなのでしょう。

一気に読み切れる一冊でした。寝不足にご注意を。
2012.10.22 Mon l 未分類 l コメント (1) トラックバック (0) l top
編集部のバッカスです。
今回はこの本をおすすめします。


アイデアは考えるな。アイデアは考えるな。
(2009/11/19)
柳澤 大輔

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著者は面白法人カヤック代表取締役 柳澤大輔氏。
帯には「すごい企画を1個出すよりすごくない企画を100個出せ!」とあります。
本書は、第1章「悩まずに、まず乗っかろう」、第2章「成長するためのヒント」、第3章「誰でもアイデアマンになれる」第4章「壁を越えるための発想法」、第5章「ゴールへとつながる道」の5章から編成されています。

著者はまず、仕事でもプライベートでも、自分のフィルターを取り払って、「乗っかってみる」ことが大事だと語ります。高校生の頃、とても人気のあった先生が「面白いからぜひこの本を読んでほしい」と言った本を、数週間後に実際に読んだ人はクラスの40人中3人だけだったというエピソードを出し、素直に「乗っかる」ことができるのは、その程度の割合だろうといいます。しかし、実際に素直に「乗っかる」ことができれば、新しい発見が待っているのです。

また、自分を成長させるためには、少しずつ難しいことに挑戦する必要があるが、追い込まれていくつものタスクをすべてこなせなくなった場合の、抜け出し方を示しています。自分が置かれている状況を認め、もしできなくても大したことではないと思い、そこから「できる、できる」と自分に暗示をかけていきます。そうして冷静さを取り戻した頃に、優先順位を決めて取り掛かる、というものです。確かに、パニック状態に陥っていると、適切な判断はできません。

アイデアについては、某社で「明日までにこの商品の広告を1つ作れ」という課題を出したところ思いつかないという人が出てきてしまったのに対し、「昼休み中にこの商品の広告を最低10個作れ」という課題では、全員が10個以上のアイデアを出したという例を挙げ、ここにヒントがあるといいます。
過去の偉人たちも、1つのすごいアイデアを出そうとしたわけではなく、たくさん出したアイデアの1つ(あるいは複数)が素晴らしかったということ。アイデアをたくさん出そうとすることから、すごいアイデアが出てくると語ります。

さらに、アイデアは既存の要素の「新しい組み合わせ」であるとして、組み合わせを考えるコツとして、マンダラチャートや、アイデアの公式を紹介しています。

また、なんでもとにかく楽しむことが大事、と著者は語ります。
「良いアイデア」を出そうとするとプレッシャーになってしまいますが、「楽しいことをたくさん考えよう」と思えば使えるアイデアが出てくるかも、そう思わせてくれる1冊です。
2012.10.21 Sun l l コメント (0) トラックバック (0) l top
くりぼーです。
私のオススメ本をご紹介します!

ガイアの夜明け 2011

ガイア


テレビ東京報道局=編 (日本経済新聞出版社)


 シリーズ累計30万部超の「ガイアの夜明け」文庫版の第7弾です。電気自動車ウォーズ、脅威のチャイナマネー、売れない時代に売る極意など、2009年から2010年にかけて放映された番組から20本を収録しています。
 100年に一度の不況、雇用の動乱、中国の台頭。これまでの常識が通用しない大変革時代が到来する中で、新たなビジネスに挑戦し続ける人々の姿を追った、テレビ東京の人気番組「ガイアの夜明け」を文庫化した本作。テレビ番組をそのまま文章に起こしたものではなく、文庫用にしっかりと編集されており、読みやすくなっています。
 個人的には、「デフレと闘う~売れない時代に売る極意」の章に惹かれました。激安路線を突き進むスーパー、高付加価値商品やコミケ戦略といった発想の転換でデフレに対抗する納豆メーカー、こだわりの品を多数集め、高価格にも関わらず繁盛するデパ地下スーパー、経営コンサルタントの力を借り「売れる言葉」戦略で生まれ変わった土産物店など、逆境を跳ね返す企業の事例はどれも面白いものばかりです。
 その他にも、万博で活躍する日本企業や、JAL危機の独占取材、逆境に挑む技術者の新たな出発など、興味の尽きないコンテンツが詰まっています。
 様々な角度からビジネスを考察することができ、さらに堅苦しくなく読みやすい一冊。自分もやろう!と思える本です。
2012.10.16 Tue l 未分類 l コメント (0) トラックバック (0) l top
おはようございます。TNBです。
私の今週のオススメ本はこちらです。


聞く力―心をひらく35のヒント

阿川佐和子
(文春新書)

聞く力



 「筑紫哲也NEWS23」、「ビートたけしのTVタックル」でお馴染み、阿川佐和子さんの著書「聞く力―心をひらく35のヒント」です。
いまやベストセラーとなり、書店の新書コーナーで見ない日はありません。エッセーに近い内容と文章のためとても読みやすく、本書でも紹介されるインタビューの様子などが想像しやすいです。
 週刊文春で「この人に会いたい」という対談連載を900回も続けている著者ですが、なんとインタビューは苦手で、相手から話を引き出すことが上手くなったという実感は無く、今でもどきどきして緊張しながら臨んでいるとのことで驚きました。
 全部で三章構成となり「Ⅰ 聞き上手とは」では、「話を聞く」仕事を始めた経緯と戸惑いなどが紹介され、著者の30回以上のお見合い話やゴルフで得た教訓などプライベートの話を交え、「メールと会話はどう違う」など話を聞くこととはどういうことかといったことが書かれています。
 「Ⅱ 聞く醍醐味」では、これまで行ってきた企業人や会社社長、作家や芸能人、落語家への対談やインタビューなどの仕事での経験の中で発見したことや、敢えて自分でも想定していなかった質問をしたことで話が広がった経験など仕事の中で得た経験が紹介されています。
 「Ⅲ 話しやすい聞き方」では、相槌の極意、安易に「わかります」といわない、フックになる言葉を探すなどハウツーとして即実践できるような著者が普段の取材で気をつけていることが紹介されています。
 相手の気持ちを推し測る、自分ならどう思うかを考える等、当たり前とわかりつつも意外と実践できていないような、思わず「ハッ」とさせられることも書いてあるため、まさに日々の自分を振り返るためのヒントになる本です。
2012.10.16 Tue l l コメント (0) トラックバック (0) l top
こんばんわ。秀丸です。
私のオススメ本をご紹介します!


人生で大切なことは、すべて「書店」で買える。
20代で身に着けたい本の読み方80

千田琢也
(日本実業出版社)
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 次代創造館の代表であり、イノベーションクリエーターの千田氏執筆による、人生を変える超実践的読書術。漫画しか読まなかった若き日の同氏は、大学に入って良書と出合い、一気にその人生観を変えた。大学4年間で1,000万円分、1万冊以上の書籍を購入し、そのすべてを読みつくしたという。雨の日も雪の日も、毎日仙台の丸善・金港堂に通いつめ、ジャンルを問わず、手に触れた本をすべて購入し続けた。
 「本さえ読めば、どんな時代になっても知恵で生き抜いていける」「本を読むから時間に余裕ができる」「すばらしい小説は、すばらしいビジネス書」「本が背中を押してくれる行動力」「本が教えてくれる本当のコミュニケーション能力」といったように、読書をすることで知恵が身に付き、素晴らしい人生を送れることを教えてくれる。
 私が特に気に入った言葉は、「本が伸ばしてくれる効率的な勉強力」。文字量の少ない本を味わいながら読むこと、好き・嫌い・初めての著者3冊でテーマを深堀りできること、乱読しても睡眠中に整理できること、本の帯から流行のエキスを吸収することを実践することで、より効率的に自分自身を成長させていけることを教えてくれた。
 忙しいからこそ、読書で情報を整理することで、中身の濃い人間像を形成できる。最近時間が取れないと思っている方にほど、ぜひ読んでもらいたい1冊だ。
2012.10.15 Mon l 未分類 l コメント (0) トラックバック (0) l top
こんばんは!秀丸です。

本日、核医学会取材のため、
札幌に来ております!

札幌駅徒歩2分にある紀伊國屋札幌店様には、弊誌最新号と9月臨時増刊号を入荷していただいておりました。

ありがとうございます!

どちらも売れ行き好調のため、在庫に限りがあります。
興味のある方はぜひお立ち寄りください!

書店-001
2012.10.13 Sat l 書店での売れ行き l コメント (0) トラックバック (0) l top
 こんにちは、バッカスです。最近読んだ一冊をご紹介します。


自分を支える心の技法 対人関係を変える9つのレッスン自分を支える心の技法 対人関係を変える9つのレッスン
(2012/05/25)
名越 康文

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 精神科医・名越康文氏の著書「自分を支える心の技法 対人関係を変える9つのレッスン」です。本書は、名越氏がストレスの強い医療現場で仕事を続けていくために必要な対人関係やセルフコントロールにつながる心理学的な技法について、医療現場の方を対象に連続講座をされていたものが、内容を文字に起こしたものがインターネットなどでも話題になったため、大幅な加筆修正を加えて出版となったとのこと。医療従事者のみならず、あらゆる人が抱える対人関係やコミュニケーション問題に対応できる内容となっています。
 まず名越氏は、対人関係の問題を解決するには、結局のところ自分の心と向き合うしかない、自分自身の心が抱えている問題を解決しない限り、対人関係の問題も解決できない、と前置きした上で、9つのレッスンを展開していきます。
 レッスン1は「心を見つめる」。人の感情は光の速度よりも速く、瞬時にころころ変わっていて、人は感情という暴れ馬に翻弄されて生きている、心を鎮めることは難しい、といったことが解説されています。
 レッスン2の「“怒りの起源”を知る」では、赤ちゃんはなぜ泣くのか、怒りと愛情欲求についてなど記されています。
 名越氏は、人間が対人関係で悩むことになる原因は、根本に「怒り」があることと説明します。また、仏教で三毒と言われる「貪・瞋・癡」の考え方に基づいて怒りを分析し、不安や見下し、傲慢、自己卑下すらも怒りが基になっているといいます。そして「怒っている」状態では冷静な判断も下せず、仕事のパフォーマンスも上がらず、百害あって一利なしだと説明。
 そんな「怒り」を消していく、完全になくせなくても減らしていくことで、自分のストレスをなくし、かつ対人関係も円滑に変えていくことができるとし、具体的なトレーニングも解説しています。
 トレーニングとして瞑想なども挙げられていますが、そこまで本格的でなくても、日常の中で誰もが実践できそうな、いくつかの方法が記されています。
2012.10.08 Mon l l コメント (1) トラックバック (0) l top
こんにちはTNBです。

ジュンク堂渋谷店で、「乳がんの早期発見・早期診断・早期治療の大切さを伝える」ことを目指した活動であるピンクリボンフェスティバル2012に合わせて、「ピンクリボンフェア」が開催されていました。

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一昨日の10月1日には東京都庁にて点灯式・トークショーが開催されたようです。
そういえば、東京スカイツリーもピンクにライトアップされていましたね。
今週末にも、またイベントが開催されるようです。

弊社の公式サイトRadFan Onlineでも関連の記事を掲載中です。
ぜひご一読ください!

東芝グループ、ピンクリボンフェスティバル2012へ協賛
http://www.e-radfan.com/product/22002/

ピンクリボンフェスティバル2012のイベントスケジュール
http://www.pinkribbonfestival.jp/festival/outline.html
2012.10.03 Wed l ニュース l コメント (0) トラックバック (0) l top
こんにちは。くりぼーです。
今回私がお薦めする書籍は、「Another」(著/綾辻行人)です。

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Another
綾辻行人
角川文庫
本体 700円

商品詳細を見る


 夜見山北中学3年3組に転校してきた榊原恒一は、入院先の病院で眼帯をした不思議な少女、見崎鳴に遭遇する。恒一は同じクラスに病院で出会った見崎鳴を見つけ話しかけるが、クラスの中で見崎鳴はいないものとして扱われているようだった。鳴も恒一に「自分に話しかけないほうがよい」と忠告する。その理由はこの学校の3年3組ではある年になると、生徒およびその肉親が謎の死を遂げるという「現象」に見舞われるためだった。さらに、クラスには過去の「現象」によって命を落とした「死者」が紛れ込んでいるという。3年3組を襲う死の連鎖」という現象を防ぐために、見崎鳴をクラス全員が無視し「いないもの」として扱うのも、「現象」を防ぐためのものであった。しかしその活動も虚しく、3年3組ではついに死者が出てしまう。その凄惨な死に方に3年3組の生徒は「ついに現象が始まった」と感じ恐怖におののく。「現象」とは何なのか、「死者」は誰なのか、「死の連鎖」は止められるのか・・・。

 本格推理小説『十角館の殺人』などで知られる綾辻行人が放つホラーミステリー。作品全体に漂う退廃的な雰囲気はホラー作品のそれですが、本作品にはミステリーの要素もふんだんに散りばめられており、緻密に配置された伏線は読後に爽快感すら与えてくれます。叙述トリックなどはさすがとしかいいようがありません!
 また主人公の一人称視点で描かれているため読み進めやすく、独特な世界観の割にはスッと作品の中へ入っていけます。話が動くまで静かに展開しますが、後半は息をのむ展開の連続で、一気に読んでしまいました。劇場映画化やアニメ化といったメディアミックス展開もされており、今年注目を集めた作品の1つとして、読み応えのある作品でした。
2012.10.01 Mon l l コメント (0) トラックバック (0) l top
こんにちは、TNBです。
今回の私がオススメする書籍は、「もの食う本」(著/木村衣有子)です。


もの食う本 (2)

もの食う本
木村衣有子
ちくま文庫
本体740円

文学やルポルタージュから漫画や童話まで、40冊の本の中から「食べる」シーンを紹介していく食べものエッセイ。
「センセイの鞄」(著/川上弘美)、「深夜食堂」(著/安倍夜郎)などお馴染みのものから、「天ぷらにソースをかけますか?」(著/野瀬泰申)、「土を喰う日々」(著/水上 勉)など「うん?なんだろう?」と好奇心をくすぐられるものまで様々です。

ただ「美味しそう」と紹介するだけではなく、それぞれのシーンから滲み出てくる「食べる」こと「食」についての哲学や楽しさが、筆者の感想を交えながら書かれていて読みごたえがあります。
筆者の書き出しの文がうまく、最初の数行を読むと引き込まれて、思わず読み耽ってしまいます。また、1章につき5~6ページと短めの文章のため、ちょっと時間が空いたときにも読むことができるため、2つの意味で読みやすい本です。

なにより、料理と食べものの描写が多いので読んでいてお腹が空いてきますし、料理をしたくなってきます。
食べることが好きな方にはぜひオススメの1冊です。
2012.10.01 Mon l l コメント (0) トラックバック (0) l top