fc2ブログ
バッカスです。

奥田英朗の新刊『無理』が出ていたのを発見、喜び勇んで購入しました。
やはり面白い!

無理無理
(2009/09/29)
奥田 英朗

商品詳細を見る


『インザプール』、『空中ブランコ』(直木賞)、『町長選挙』の精神科医・
伊良部シリーズももちろん大好きなのですが…

最悪』、『邪魔』の犯罪絡みの群像劇は数年前読んだ際、
本当に止まらなくて一気に読んでしまったのでした。

今回の『無理』も『最悪』、『邪魔』と同系列の群像劇。

舞台は町村合併でできた東北の片田舎、ゆめの市。
国道沿いにできた大型ショッピングセンターのおかげで商店街は寂れ、
町の工場では外国人労働者も多く働く。

社会福祉事務所で生活保護支給業務に就いている32歳男性、
田舎を出て東京の大学に行きたい女子高生、
詐欺まがいの商品を売りつける23歳元不良のセールスマン、
新興宗教に救いを求めるバツイチ48歳女性、
父から地盤を受け継いだ市議会議員――が鬱屈を抱えながら日々を送り、
やがて犯罪に巻き込まれていく…。

正社員になれずに時給数百円のアルバイトをする若者や中年層、
生活保護に味を占めた20代のバツイチ子持ちママたち(ヤンキー上がり)、
ふだんはふつうに家事や子育てをする主婦たちの売春組織、
かつての有力者に脅されながら市民活動の標的にもなってしまう政治家…
リアルな地方の悲劇(と言ったら失礼でしょうか)を背景に、
それぞれが遭遇する事件が、やがて一つの事件に…!?

ふつうの人々がちょっとしたことで踏み外した日常の一歩が、
どんどん大きな事件になっていきます。

今回も爽快な疾走感が味わえました。オススメです。
2009.10.15 Thu l l コメント (1) トラックバック (1) l top

コメント

No title
こんにちは。同じ本の感想記事を
トラックバックさせていただきました。
この記事にトラックバックいただけたらうれしいです。
お気軽にどうぞ。
2011.06.19 Sun l 藍色. URL l 編集

コメントの投稿












トラックバック

トラックバック URL
http://radfaneditor2008.blog75.fc2.com/tb.php/176-9519c317
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
人口12万人の寂れた地方都市・ゆめの。 この地で鬱屈を抱えながら生きる5人の人間が陥った思いがけない事態を描く渾身の群像劇。 合併でできた地方都市、ゆめので暮らす5人。 相原友則―弱者を主張する...
2011.06.19 Sun l 粋な提案